順調だったツーリングが、突然の「二輪通行禁止」でストップ! そんな経験はないでしょうか。クルマは通れるのに、なぜかバイクだけ進めない道路は意外と多く、知らずに進入すれば違反になる可能性もあります。とくに観光地周辺では見落としやすく、思わぬ遠回りを強いられることも。本記事では、その理由と注意点、回避のコツをわかりやすく紹介します。
二輪通行禁止区間は全国で約500か所も!
日本国内の道路には、クルマ(四輪車)は通行できても、バイク(二輪車)が通行できない区間が少なくありません。ツーリングで観光に出かけた際、二輪車の通行が規制された道路や橋、トンネルなどに遭遇し、遠回りを余儀なくされたり、目的地にたどり着けなかったといった経験を持つ人もいるでしょう。
しかも、通行できない区間の手前には通常「二輪車通行禁止」の標識がありますが、うっかり見落としてしまったり、前を走るクルマについていって気づかずに進入してしまい、取り締まりを受けてしまうケースも考えられます。
法規上「二輪車通行禁止区間」と呼ばれるのがこうした区間です。日本二輪車普及安全協会(以下、二普協)の調査によれば、2026年6月4日現在、全国で約500か所もの二輪車通行禁止区間が存在するといいます。
しかも、これら区間がやっかいなのは、各区間で規制対象となるバイクの条件がさまざまな点です。原付のみ、125cc以下、250cc以下、すべての排気量のバイクなど、場所によって規制内容が異なるため傾向がつかみにくく、うっかり入り込んでしまう危険性も高いといえます。
うっかり進入で捕まると罰則は?
もちろん、バイクが通行できない区間の手前には「二輪車通行禁止」の標識があるため、注意して走行していれば初めて通る場所でも事前に分かります。でも、うっかり進入してしまうなどで取締りを受けると、「通行禁止違反」に該当し、以下の罰則を科せられるので注意が必要です。
【通行禁止違反の罰則(バイクの場合)】
反則点数:2点
反則金:二輪車6000円、原付5000円
二輪車が通行できない場所の代表例
では、具体的にはどのような場所があるのでしょうか。以下に例を挙げてみます。
オーバーパス/アンダーパス
まず、オーバーパスやアンダーパスです。ツーリング中でも、とくに市街地を通る際には、こうした場所の二輪車通行禁止区間に遭遇することが多くあります。
たとえば東京都の場合、新橋の国道15号(第一京浜)から昭和通りに抜ける「新橋地下道(都道316号)」が有名です。ここはすべての二輪車が通行不可となっています。国道15号を北上し、上野方面へ向かう際に進入すると違反となるため、側道を進み、その先の交差点を右折する必要があります。
都市部にあるアンダーパスやオーバーパスには、原付一種が通行禁止となっている場所も多いのですが、この区間のようにすべての二輪車が禁止されているケースもあります。ただし、すべてのアンダーパスやオーバーパスが対象ではないため、通行の可否がわかりにくい点も特徴です。
観光スポットなどの橋
橋にも、二輪車が通れない場所や区間があります。とくにややこしい例として知られるのが、観光スポットとしても有名な神奈川県の「横浜ベイブリッジ」です。2層構造になっているこの橋は、上層が高速道路で、二輪車の場合は250cc以上であれば通行可能です。
一方、下層は一般道として使用されていますが、125cc以下のバイク(原付一種と原付二種)は走行不可となっています。
ちなみに、東京都の名所「レインボーブリッジ」も同様に2層構造で、上層が高速道路、下層が一般道です。ただしこちらの場合、下層の一般道で走行不可なのは原付一種のみ。原付二種や自動二輪のバイクは走行可能です。このように、似た構造の橋でも規制内容が異なる点が、二輪車通行禁止区間のわかりにくさにつながっています。
観光地などにある峠道
観光地として知られる山岳部の峠道にも、二輪車通行禁止区間は存在します。たとえば日本百名山のひとつである筑波山(茨城県)は、山頂付近までケーブルカーやロープウェイが整備されており、休日には多くの観光客で賑わいます。
通常、筑波山のロープウェイまで行くには「筑波パープルライン」(県道236号・筑波公園永井線)を利用すると便利で快適です。クルマであれば人気のドライブルートですが、この道路はかつて有料道路だった「表筑波スカイライン」と「筑波スカイライン」が無料化されたことで統合されたものです。
しかし、このうち旧「表筑波スカイライン」の区間は、原付から自動二輪車まで、すべてのバイクが終日通行禁止となっています。さらに旧「筑波スカイライン」の区間も、19時〜8時の時間帯はすべての二輪車が通行止めです。また、土浦市方面から接続する「フルーツライン」も二輪車は終日通行止めとなっています。
ほかにも、神奈川県箱根町の「箱根旧街道」(旧東海道・県道732号)では、毎年4月1日〜11月30日の土曜・日曜・休日の8時〜15時に限り、排気量550cc未満の自動二輪車が通行禁止となっています。なお、原付一種は規制対象外のため通行可能のようです。
バイクの通行を禁止する理由とは?
このように、全国にはさまざまな場所や区間でバイクの通行が禁止されています。前述の通り、二普協の調査では、全国には約500か所もの二輪車通行規制区間があるのです。
では、こうした規制はどのような基準で決められているのでしょうか。警察庁の「交通規制基準」によれば、原則として次のいずれかに該当する道路が対象となります。
【二輪車通行規制区間の規制実施基準】
1:オーバーパス、アンダーパス、トンネルなどで自動車の通行が多く、かつ、十分な車道幅員がないため、二輪の自動車または一般原動機付自転車とその他の車両との混在通行により、交通事故が発生するおそれのある道路
2:高速自動車国道などと接続しているため、総排気量0.125リットル以下、定格出力については1.00キロワット以下の原動機を有する普通自動二輪車(以下「小型二輪車」という。)及び一般原動機付自転車の通行を禁止する必要がある道路
3:カーブまたは急な坂が連続しており、二輪の自動車または一般原動機付自転車の通行により、交通事故が発生するおそれのある道路
4:暴走行為などによる交通の危険防止及び地域の静穏を確保する必要がある道路
これらの基準を見ると、基本的には安全確保のために規制されているケースが多いことがわかります。
たとえば「横浜ベイブリッジ」の下層一般道は、上記2の「高速自動車国道などと接続している」道路なので、125cc以下のバイク(原付一種と原付二種)を走行不可としていることがわかります。
また、「表筑波スカイライン」や「筑波スカイライン」、さらに「箱根旧街道」などは、「カーブや急坂が連続」するワインディングであることに加え(上記3に該当)、過去にローリング族による事故が多発した(上記4に該当)ことから、通行規制が行われているといいます。
なお、「箱根旧街道」では排気量550cc以上の大型バイクは通行可能。一方で、250ccや400ccといったミドルクラスは通行できません。でも、なぜ550ccという排気量で区切っているのでしょう。一説によれば、理由は「規制を開始した昭和59(1984)年当時、550cc未満の二輪車が危険な走行をしていた」からといいます。もし、この説が正しければ、40年以上も前の規制内容が現在も継続されていることになり、いまの実態にはそぐわない感じです。このあたりは、規制対象の改正が必要かもしれませんね。
ツーリング先の規制道路は事前にチェック
このように、ライダーにとってやっかいなのが二輪車通行規制区間です。しかし現行制度では、うっかり進入すると取り締まりの対象となり、ツーリングの楽しさを損なってしまうおそれがあります。そのため、できれば出発前に、予定ルート上にこうした規制区間がないかを確認しておくと安心です。
なお、二普協ではホームページ上で全国の二輪車通行規制区間の情報を公開しています。データは毎年3月末時点で各都道府県警の協力により調査され、例年6月に更新されているため、最新情報を確認することができます。一度サイトにアクセスし、どのような場所が規制対象となっているのかチェックしておくことをおすすめします。
*写真はイメージです
【関連リンク】
日本二輪車普及安全協会の二輪車通行規制区間情報
https://www.jmpsa.or.jp/society/roadinfo/
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/bikenews/542058/
なぜバイクは通れない? ツーリングでハマる「二輪通行禁止道路」の落とし穴と対策【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/542058/542073/









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