クルマを選ぶ時、まず「燃費」「リセール」から考えていないだろうか。心底それを求めるなら問題ないが、何かを我慢しての選択ならやめたほうがいい。例えば「大排気量NA車」が欲しいなら、「燃費」「リセール」など捨ててしまうのだ!!
※本稿は2026年5月のものです
文:伊達軍曹/写真:レクサス、トヨタ、日産 ほか
初出:『ベストカー』2026年6月26日号
税金? 燃料代? それがどうした!? 大排気量NAに乗らずに死ねるか!
大排気量自然吸気エンジン車の維持は、苦行の側面も伴う。自動車税は最大で11万円超となり、実燃費はリッター5km前後だったりする。そしてリセール価格も、一部のモデルを除けば、最新売れ筋モデルのような安定感は望めない。
だが、そんなデメリットをあえて引き受ける“殉”の先に待つのは、ダウンサイジングターボや電動ユニットでは絶対に再現不可能な「物理的官能」だ。
例えばレクサスの5L、V8自然吸気が放つ乾いた咆哮と、あくまでもリニアな吹け上がり。あるいは、かつての国産フラッグシップでは当たり前だった、極太トルクが背中を押し出す感覚。
それらは効率化を突き詰めた現代のパワーユニットが失ってしまった、内燃機関黄金時代の結晶である。
そしてそもそも大排気量NAエンジンは今、絶滅の淵に立たされてもいる。数年後には、中古車市場で良個体を探すことすら困難になるだろう。
今、支払う重税やガソリン代は、人生の終盤において「あの時、あれを味わっておいて本当によかった……」という後悔なき記憶を入手するための、きわめて正当な対価なのだ。
レクサス IS500 “F SPORT Performance”(5.0L)
かつて「IS F」に使われ、その後は「RC F」や「LC」も搭載した5L・V8自然吸気エンジン「2UR-GSE」を搭載するレクサス IS。
低速域でもこのユニットの息吹は充分味わえるが、本領発揮は高回転域。
ハイトーンなエキゾーストノートとともにトップエンドまで一気に吹け上がっていく様は、ダウンサイジングターボでは決して味わえない。新車の販売は終了したが、中古車でなら入手可能。
レクサス GS F(5.0L)
2015年にデビューした、5L、V8自然吸気ユニットである「2UR-GSE」を搭載するスポーツセダン。
最高出力の数値こそ同エンジンのIS500 “F SPORT Performance”より若干低いが、大排気量自然吸気ならではのリニアな加速感やレスポンスのよさを味わえる点については同様。
製作にあたっては、組み立て後に1基ずつエンジンの回転バランスを調整する工程が加えられている。
レクサス LX(5.7L)
現行型は3.5LにダウンサイズされたV6ターボを積むが、2015年まで販売された先代LXは、なんと5.7LのV8自然吸気を搭載。その鷹揚な回転感覚と無敵感は唯一無二。ランクルをも超える「陸の王者」だ。
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