2026年6月に登場した日産新型キックスは、日本向けモデルで初めて第3世代e-POWERを採用した。WLTCモード燃費は従来型の23.0km/Lから25.7km/Lへ向上。しかし進化したのは燃費だけではない。中身を知れば、“第3世代”を名乗る理由が見えてくる!
文/写真:ベストカーWeb編集部
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そもそもe-POWERは、エンジンで発電し、タイヤはモーターだけで駆動するシリーズハイブリッド。ガソリンを給油する手軽さと、電気自動車のような鋭く滑らかな加速を両立する日産独自のシステムだ。
第3世代の大きなポイントが、新開発の「5-in-1」電動ユニット。モーター、インバーター、減速機、発電機、増速機という5つの主要部品を一体化した。ユニットの小型・軽量化に加え、剛性や組み立て精度も向上。振動やエネルギー損失まで抑えている。
発電用エンジンも従来の1.2Lから、発電に特化した新開発1.4L直列3気筒へ変更。圧縮比は12.0から13.0へ高まり、燃焼効率を向上させた。エンジン出力も82psから98psへ強化されているが、あくまで仕事は発電。タイヤを直接回すことはない。
フロントモーターは従来型の136PS/280N・mから143PS/315N・mへパワーアップ。アクセルを踏んだ瞬間の力強さや、高速道路での余裕にも磨きがかかった。
燃費だけでなく静かさも進化! 減速はより自然に
新型のX シンプルパッケージ、X、X+の2WDは、WLTCモード燃費25.7km/Lを達成。従来型2WDの23.0km/Lから2.7km/L伸びた。市街地26.4km/L、郊外28.7km/L、高速道路23.8km/Lと、街中だけでなく幅広い走行環境で効率を高めている。
ただし19インチタイヤを履くGは23.4km/L。4WDのe-4ORCEはX系が21.5km/L、Gが20.1km/Lとなるため、「新型はすべて25.7km/L」ではない点に注意したい。
第3世代の魅力は静粛性にもある。クラス初となる路面検知制御を採用し、ロードノイズの大きな路面では、その音に紛れるようにエンジンを作動させて発電。滑らかな路面ではエンジンの作動頻度を抑え、不意にエンジン音が聞こえる場面を減らした。
アクセルを戻した際の減速も、各ドライブモードに合わせてチューニング。従来のe-POWERらしいワンペダル感覚を残しつつ、より自然で滑らかな減速を狙った。ブレーキ操作時にも回生を協調制御し、捨てていたエネルギーを効率よく回収する。
第3世代e-POWERの進化は、単なる燃費競争ではない。より力強く、静かで、滑らか。それでいてガソリン車と同じ感覚で給油できる。新型キックスは、e-POWERが“電気自動車風のハイブリッド”から、完成度で選ばれるパワートレーンへ成長したことを示す1台だ。
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