フィットe:HEVは、エンジンと2つのモーターを搭載するハイブリッド車だ。しかし、常に両方の力でタイヤを動かしているわけではない。EV、ハイブリッド、エンジンという3つの走行モードを自動的に使い分け、街なかから高速道路まで効率よく走る。その賢い仕組みを解説しよう。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ご先祖さまはすでに2010年から登場!? なつかしの2代目フィット ハイブリッドRSを大公開!(9枚)画像ギャラリー街なかではエンジンが発電役に徹する!!
フィットe:HEVが搭載するのは、1.5Lエンジンに発電用と走行用の2つのモーターを組み合わせたシステムだ。走行状況に応じて、EVモード、ハイブリッドモード、エンジンモードを自動的に切り替える。
EVモードでは、バッテリーの電力だけで走行用モーターを動かす。エンジンを停止したまま走れるため、発進は静かで滑らか。信号待ちからのスタートや低速走行など、比較的短い時間に使われる。
バッテリー残量が減ったり、強い加速が必要になったりするとハイブリッドモードへ移行。エンジンで発電用モーターを回し、そこで作った電気によって走行用モーターを駆動する。加速時にはバッテリーの電力も加わり、力強さを高める仕組みだ。
この状態では、エンジンが直接タイヤを回しているわけではない。エンジンは効率のいい回転域で発電に専念し、最高出力123ps、最大トルク253Nmの走行用モーターがクルマを進める。一般的なハイブリッド車というより、エンジンを発電機として使うシリーズハイブリッドに近い動きだ。
高速巡航ではエンジンからタイヤへ力を直接伝える
3つ目がエンジンモードだ。高速道路を一定速度で巡航するような場面では、ロックアップクラッチをつなぎ、エンジンの力を車輪へ直接伝える。
高速域はエンジンが効率よく働ける領域だ。エンジンで発電し、その電気でモーターを回すと、エネルギーを変換する際にどうしても損失が生じる。そこで高速巡航時だけは発電とモーター駆動を介さず、エンジンから車輪へ直結。燃料消費を抑えるわけだ。
ただし、「高速道路に入ったらずっとエンジン直結」という意味ではない。追い越しや上り坂で大きな駆動力が必要になればハイブリッドモードを使い、アクセルを緩めればエンジンを止めることもある。速度、アクセル開度、バッテリー残量などを見ながら、クルマが最適なモードを選んでいる。
減速時には走行用モーターを発電機として使い、運動エネルギーを電気に変えてバッテリーへ回収する。発進はEV、街なかの加速はモーター、高速巡航はエンジン直結。得意な仕事を適材適所で任せるから、e:HEV XはWLTCモード29.1km/L、高速道路モードでも28.6km/Lという低燃費を実現できるのだ。
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