都市部の配送や営業活動で注目を集める小型EV。リーンモビリティの「Lean3」が豊田通商と国内法人向け販売代理店契約を締結した。コンパクトな車体、空調付きキャビン、独自の走行制御を武器に、新たな業務用モビリティとして普及を目指す。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
軽自動車より小さく、バイクより快適!? 「Lean3」が狙う法人モビリティの新市場
都市部での配送や営業活動では、「クルマでは大きすぎるが、バイクでは快適性や安全面に課題がある」という悩みが存在する。そんな現場の隙間を狙う新たな移動手段として注目されているのが、リーンモビリティの都市型小型EV「Lean3」だ。
今回、リーンモビリティ株式会社は豊田通商株式会社と、日本国内における法人向け販売代理店契約を締結したことを発表した。豊田通商の販売・リース網を活用することで、「Lean3」の法人領域での導入を本格化させる狙いだ。
これまで新興モビリティは、車両そのものの開発だけでなく、「どのように普及させるか」が大きな課題となってきた。今回、国内で幅広いモビリティ事業基盤を持つ豊田通商が販売パートナーとなることで、法人ユーザーにとって導入へのハードルが下がることが期待される。
小型EV「Lean3」は軽自動車とバイクの間を埋める存在になるか
「Lean3」の最大の特徴は、そのコンパクトな車体だ。一般的なクルマの約3分の1サイズという都市向け設計により、狭い路地や住宅街などで高い取り回し性能を発揮する。
都市部で営業車や配送車を運用する企業にとって、訪問先での駐車スペース確保は日常的な課題である。軽自動車でも場所によっては駐車に苦労するケースがある一方、「Lean3」のような小型車両であれば、省スペースでの運用が可能になる。
また、バイクによる配送や巡回業務では、天候の影響やドライバーの身体的負担も無視できない。Lean3は屋根付きキャビンを備え、さらに空調も装備することで、暑さや雨といった環境変化への対応力を高めている。
特に近年は猛暑による作業環境の悪化が社会的な課題となっている。豊田通商も、空調を備えた快適な運転環境とコンパクトな車体による機動性を、法人向けモビリティソリューションとして評価している。
車両の基本性能にも特徴がある。Lean3は前2輪操舵・後1輪駆動の3輪構造を採用し、車体を傾けて旋回する独自の制御技術を搭載。旋回時や路面状況に応じて車体姿勢を最適化し、走行安定性を高めている。
最高速度は60km/h、航続距離は約100km(WLTCモード)。充電は家庭用電源に対応し、普通自動車免許で運転できる点も法人導入を考えるうえでポイントとなる。
一方で、一般的な乗用車とは用途が異なるため、利用環境を見極めることも重要だ。高速道路を使う長距離移動や、多人数乗車を前提とした用途ではなく、都市部での短距離移動や業務巡回といった場面で価値を発揮する車両といえる。
今回の豊田通商との契約では、販売だけでなくリース提供も可能となる。車両購入ではなく、業務用途に合わせた導入方法を選べる点は、企業にとって大きなメリットだろう。
リーンモビリティは今後、法人向け販売に加えて、モビリティによる社会課題解決、自動運転社会の実装、次世代モビリティサービスへの発展も視野に入れている。
自動車業界では、EV化というと乗用車の電動化に注目が集まりがちだ。しかし、都市部のラストワンマイル配送や営業活動など、日常の移動課題を解決する小型EV市場も今後成長が期待される分野である。
「Lean3」は、クルマを単純に小さくした存在ではなく、都市で働く人のための新しい移動ツールとしてどこまで受け入れられるのか。その普及の行方に注目したい。
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