9年ぶりに全面刷新されたマツダCX-5だが、トランスミッションは意外にも6速ATを継続。ライバルが7速、8速、CVTへ進むなか、なぜ多段化しなかったのか? 新型のパワートレーンと車体構成から、その理由を読み解いてみよう。
文/写真:ベストカーWeb編集部
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2026年5月に発売された3代目CX-5は、国内仕様のパワートレーンを「e-SKYACTIV G 2.5」に一本化した。
2.5L直列4気筒ガソリンエンジンにMハイブリッドを組み合わせ、最高出力178PS、最大トルク237Nmを発生。モーターも最高出力6.5PS、最大トルク60.5Nmを発揮する。
そして組み合わされるのが、ロックアップ機構付きトルクコンバーターを備えた「SKYACTIV-DRIVE」の6EC-ATだ。変速比は1速が3.552、6速が0.599。高速巡航用のオーバードライブまで含め、6段で日常域をカバーする。
ただし、マツダは8速ATを持っていないわけではない。CX-60やCX-80には、縦置きエンジンと後輪駆動ベースのプラットフォームに合わせて開発した8速ATを搭載している。
ならば、その8速ATをCX-5にも使えばよさそうだが、話は簡単ではない。CX-5はエンジン横置きの前輪駆動ベース。CX-60などの縦置き用8速ATとは車体構成がまるで違い、そのまま移植できるものではないのだ。
多段化より価格と扱いやすさを優先した合理派
マツダは、CX-5が6速ATを継続した理由をひとつに絞って公式発表していない。だが商品構成から考えれば、横置き用の新型8速ATをわざわざ開発するより、熟成した6速ATをMハイブリッドと組み合わせるほうが合理的だったと見られる。
多段化には、エンジン回転数を効率のいい領域に保ちやすく、加速時の変速ショックも小さくできる利点がある。その一方で、部品点数や重量、制御の複雑さ、コストが増える可能性もある。
新型CX-5では、発進時や再加速時にモーターがアシスト。排気量にも余裕のある2.5Lエンジンだから、細かく変速して回転数を合わせ続ける必要性も比較的小さい。6段でも日常域の軽快さと高速巡航を両立しやすい組み合わせなのだ。
車両価格は最廉価のS・2WDで330万円。大型ディスプレイや充実した安全装備を盛り込みながら、この価格に抑えたことを考えれば、実績ある6速ATの採用はコスト面でも効いているはずだ。
もちろん、最新SUVとして8速ATを期待したくなる気持ちはわかる。ただ、変速段数の多さだけでクルマの完成度は決まらない。新型CX-5の6速AT継続は“進化をさぼった”というより、価格、サイズ、走りの自然さを優先した現実的な選択と見るべきだろう。
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