2026年6月、マツダは「ロードスター」の商品改良を発表しました。今回の改良では、特別仕様車「PS」の追加や新色「ジンクグリーンメタリック」の採用に加え、PSとRSには専用チューニングを施したサスペンションを採用。MT車の制御変更など、走りにも手が加えられています。
なかでも興味深いのが、最新の車外騒音規制への対応です。静音タイヤや大型サイレンサーを採用するとともに、吸排気系の音質をチューニングし、ソフトトップには吸気音を車内へ伝える「インダクションサウンドエンハンサー(ISE)」も標準化しました。規制が厳しくなるなかでも「走る音」を諦めなかった、ロードスターの改良に迫ります。
文:吉川賢一/写真:MAZDA
【画像ギャラリー】大型サイレンサーでも「走る音」は諦めない!! サウンドまで磨いた2026年モデルのマツダ「ロードスター」(10枚)画像ギャラリー静音タイヤ+大型サイレンサーでも「音」を諦めなかった
2026年9月上旬より発売(※)となった今回の商品改良では、特別仕様車「PS」の追加をはじめ、走行性能や装備など幅広く手が加えられました。なかでも特筆すべきなのが、「車外騒音規制への対応と進化」です。(※「ジンクグリーンメタリック」塗装車は2026年10月生産開始予定)
具体的には、静音タイヤを採用し、その特性にあわせてステアリングフィールを最適化。さらにサイレンサーを大型化することで、最新の車外騒音規制へ対応しています。またロードスターRFでは、大型サイレンサー採用に伴うパッケージ変更によって、トランクルーム深底部の寸法まで一部見直されました。
「静音タイヤ」や「大型サイレンサー」と聞くと、ロードスターまで静かなスポーツカーになってしまうのかと気になるところですが、吸排気系にはレゾネータやリブを新設計し、音質をチューニング。さらに、従来はロードスター「RS」とロードスターRF「RS」に標準装備されていた、吸気の原音を車内へ伝える「インダクションサウンドエンハンサー(ISE)」を、今回からソフトトップモデル全車へ標準装備しています。
車外へ出る音は規制に合わせて抑える。ただし、ドライバーが運転中に感じる「走る音」は諦めない。そんなマツダの執念が伝わってくる改良です。
「車外に出せないなら車内へ」 ISEに込められたマツダのこだわり
マツダは以前から、ロードスターのエンジンサウンドをつくり込んできました。ISEも新しい技術ではなく、2008年のNC型ロードスターのマイナーチェンジで6MT車に初採用。その後、現行ND型にも受け継がれてきました。
ISEは、吸気経路から導いた吸気脈動を増幅し、吸気の原音を車内へ届ける技術です。マツダが重視したのは、ただ大きな音を聞かせることではなく、アクセル操作に呼応するサウンドをドライバーへ届けることでした。
ND型用ISEの開発担当者は「車外に音を出せないなら、リアルなエンジンの吸気音をいかに車室、とくに運転者に届けるか」という考え方で開発したと説明しています。
開発では、ISEの管の形状や径、素材、接合部に使う膜の素材や厚み、穴のパターンまで検討。試作開始から商品化まで1年以上を費やし、開発初期には子ども用ジャングルジムのフレームや100円ショップの商品まで試作品に利用したそうです。














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