フジエクスプレスで臨時運転士として乗務する記者のバス運転士日誌は、新しく運行できるルートに加わった田町ルートの奮闘記だ。便数も台数も多い同ルートで遅延すると大変なことになる。まだダイヤのパターンがよくわかっていないので仕方がない面はあるが、どうなったのかをレポートする。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■15分ヘッドの怖さ
以前から運行している芝浦港南ルートは20分ヘッドだが、区間便の2往復でも休憩のための乗り換えに10分は余裕があり、フルルートで走ればダイヤに余裕がありすぎて10分程度の遅延は戻ってしまう。
よって記者の責に帰さない事由で大遅延させたことは確かにあるが、1度きりであり全体としてはそれほどの苦はなく運行することができる。芝ルートに至っては、遅延することがほとんどなく、遅延しても終点での折り返し待ちの時間が多少減る程度で運行に影響があることはなかった。
ところが田町ルートでは、仕業によっては5分遅延すれば折り返し待ちの時間がなくなり、車両の乗り換えがなくても自分が着発で折り返すというダイヤがある。つまり5分遅延して終点で到着したら、そのまま折り返しで始発として出発しなければならないというダイヤがあるということだ。
以前から書いているが、フジエクスプレスは会社として遅延については何のお咎めもない。バスの遅延は仕方がないというスタンスだからだ。自分で遅らせて、時間的余裕がなくそのまま発車するのであれば、自分で責任を負う形なので仕方がない。
しかし、車両を次の運転士に渡さなくてはならないということであれば、話は変わってくる。遅延自体は仕方がないし、お咎めはないが次に渡す運転士に迷惑が掛かってしまうのは心理的になかなか辛いものがある。今回はそんなときに何が起こったというお話だ。
■車庫渡しなので短絡できない!
田町ルートの平日ダイヤは、車庫まで戻って次の運転士に車両を渡すパターンがほとんどだ。車両の乗り換えなしで自分が引き続き担当するのであれば、車庫までの往復が回送であればそれを短絡して、次の始発になってしまえばよい。
しかし、車庫で次の運転士が待っている場合や、駅から車庫行きの営業運転になっている場合は、その手は取れない。回送でも営業でも必ず車庫まで行かなくてはならないのだ。そんなダイヤのパターンは理解していたが、田町ルートの運行2回目の日のことだ。前の担当者が遅延して到着し、車庫始発の便が始発から遅延して発車した。
それはいいのだが、徐々に遅れが積み重なっていった。理由は明白だ。各停留所でまんべんなく乗客の多い同ルートでは、遅延すると次の便に乗ろうとする人がバス停に集まってくるので、乗降に時間がかかりそれが全バス停で続くので、結果的に遅延は増していくのだ。
車庫発で田町駅東口から六本木ヒルズに向かっている途中の麻布十番駅前付近でラムコーダはすでに15分遅れを示していた。芝浦港南ルートの感覚で仕方がないかと走っていると、後ろから同型のバスが迫ってきた。
路線全体が遅延しているのならまだしも、記者が運行する便だけが遅延しているので、15分遅延だと後ろの便が追い付いてしまうのだ。そのまま離れて追いつかれてを繰り返し、田町駅まで戻ってくるころには、次の運転士に渡して当該運転士が出庫する時刻を過ぎていた。

