輸送障害で電車が停まってしまった時、あなたならどうするだろうか? 運転再開までじっと待つか? あるいは電車が動いている区間までなんとか移動するか? 大都市圏で暮らしていれば誰しもが一度は経験したであろう状況、そしてこれから遭遇することになるだろう。そんなとき、慌てず騒がず「バスで他路線の駅に抜けてしまう」という手段をご一考いただきたい。本稿では、横浜市を一例として、異なる鉄道路線間を連絡する路線バスを紹介する。ハザードマップ同様に、自分の通勤・通学路においても事前にチェック&把握しておけば、イザという時に素早く対応できるはずだ。
文/写真 風谷さてう(@Satew00t)
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■JR横須賀線~相鉄本線(相鉄バス 旭6系統)
相鉄の二俣川駅とJRの東戸塚駅を結ぶ旭6系統は、横浜市内を南北の「タテ方向」に移動できる貴重なバス路線のひとつである。この路線の主な役割は、東海道本線と相鉄線の間に位置する横浜市内有数の規模を誇るマンモス団地、左近山団地および周辺の住宅地と二俣川・東戸塚の両駅を結ぶことにある。鉄道空白地帯を縦断する路線なだけあって本数は潤沢で、途中で折り返す区間便を除いても日中で毎時4本が確保されており、ラッシュ時には倍近くの本数が運行される。
多少大回りの経路を取るので両駅の往来にはおよそ40分ほどを要するが、「アクセス性の高い路線同士を直結する」という点が輸送障害発生時において非常に心強い。東戸塚駅に停車するのは湘南新宿ラインと横須賀線で、東京・新宿・湘南・三浦の各方面に直接アクセスできるという強みがある。
それだけに止まってしまった時が大変で、特に東海道線と共倒れになってしまった時などは陸の孤島と化してしまう。そんな時に旭6系統で二俣川に抜けてしまえば、相鉄・東急直通線で東京(三田線直通列車で大手町)と新宿(東横線直通列車で新宿三丁目)へのアクセスをもぎ取ることができ、さらに湘南台・海老名の両終点から小田急線に乗り換えることで湘南方面にも抜けられる。
三浦方面へは横浜あるいは湘南台・上大岡経由で京急線に乗り換える必要があるが、それでも動けないよりは良いだろう。そして相鉄線が止まってしまった際はその逆が成り立つほか、そもそも横浜駅に出てしまえば大体のことはどうにでもなる。
このように、両鉄道路線の隠れた相補性は、旭6系統の存在によってグンと引き立つのだ。前述の通り本数も多いので、輸送障害が起こった時だけでなく、普段の移動にも使える。もちろん路線バスの大前提として道路混雑による遅延リスクはあるものの、使いこなせば非常に便利な路線なので、ぜひ覚えておいてほしい。
■東急田園都市線~市営地下鉄グリーンライン~新横浜駅各線(東急バス:市03系統)
東急田園都市線の市が尾駅と新横浜駅を結ぶ市03系統は、横浜市北部の鉄道路線をタテに結ぶ非常に利便性の高い路線である。タテ方向の鉄道路線に乏しい横浜市において、このように縦貫してくれる路線はとても貴重だ。
田園都市線で輸送障害が発生した際の代替ルートとしては長津田乗り換えのJR横浜線あるいはあざみ野乗り換えの市営地下鉄ブルーライン、もしくはあざみ野から新百合ヶ丘へのバス移動が定番だが、そんな時に市03系統は「穴場ルート」として機能する。複数路線を貫くため選択肢を多く取れるのも特徴で、都心方向を目指して南下する場合、下記のような代替ルートが考えられる。
- 川和町:グリーンラインで日吉→東横線/目黒線
- 小 机:JR横浜線で横浜→東横線/京急本線/JR線
- 新横浜:東急新横浜線/東海道新幹線
この路線の強みは、田園都市線だけでなく、上記の各路線からの振替手段にもなり得る点である。本数は毎時2〜4本程度と極端に多いわけではないものの、 持ち時間や道路の込み具合に応じて臨機応変にルートを組み立てられるのは有事において極めて大きなアドバンテージといえるだろう。
また、全体の経路を見ると大まかに市営地下鉄ブルーラインの並行路線とも捉えられる。港北ニュータウン周辺の貴重な足であるブルーラインは平日日中でさえ6両編成に多くのお客を乗せているので、こと有事においては大変に混雑する。
時間に余裕さえあればという注釈は付くものの、有事の際の選択肢としてぜひ頭に入れておいてほしい。ただ、元々混雑しがちな路線であるため着席できる可能性が低い点、そして経由する横浜上麻生道路の渋滞リスクが付帯する点はご承知置きを。





