ファミリー層を中心に絶大な支持を集めるミニバン。広い室内に家族と荷物を載せることができ、スライドドアで乗り降りもしやすい便利なクルマですが、車種によっては路面のうねりを越えたあとに揺れが残ったり、走行中のエンジン音が気になる場面もあります。
そんなミニバンの気になるところを感じさせにくいのが、日産の新型「エルグランド」です。大柄なミニバンであることを忘れるほど静かで、揺れも素早く収まります。
この快適さを、エルグランドだけにとどめるのはもったいない。日産の最新技術をもっと多くの家族に体感してもらうために、次はセレナにも広げてほしいところです。エルグランドのオーナーとして、次期セレナに期待する進化を考えます。
文:吉川賢一/写真:NISSAN、エムスリープロダクション
【画像ギャラリー】家族でゆったり!! 便利な装備も充実の日産「セレナ」(19枚)画像ギャラリーエンジンが動いても静か!! 新型エルグランドの乗り味に感心した
新型エルグランドを購入した筆者が、実際に乗って強く感じているこのクルマの魅力は、発電用エンジンの存在を意識させにくい静粛性です。第3世代e-POWERでは、モーター駆動ならではの滑らかさに加え、静粛性も向上。エンジンが動き始めても、その音が車内で目立ちにくくなっています。日々の買い物から高速道路を使う長距離移動まで、乗るたびに静粛性のよさを感じます。
ロードノイズの小ささや、路面からの入力を和らげ、ボディの揺れを素早く収める乗り心地にも感動しています。第3世代e-POWERだけでなく、車体の遮音対策や、電動4輪制御技術「e-4ORCE」、電制サスペンション「IDS(インテリジェント ダイナミックサスペンション)」などを組み合わせて得られた快適さでしょう。筆者はかつて日産で運動性能開発に携わっていましたが、音や揺れをここまで抑えた仕上がりには、開発陣の仕事ぶりに感心するとともに誇らしさを感じます。
こうした進化は、同じミニバンである「セレナ」にもぜひ展開してほしいところ。もちろん、車格も価格帯も異なるセレナに、すべてをそのまま採用するのは難しいとは思いますが、静かさや乗り心地を高める技術は、家族で使うセレナにも大きな魅力になるはずです。
後席との会話も遠出も快適に!! 次期セレナに広げてほしい日産の技術
現行セレナが搭載するのは第2世代e-POWERです。モーターとインバーターの刷新や発電制御の見直しによって、第1世代と比較して、加速性能・効率・静粛性が高められていますが、第3世代では、発電に特化したエンジンと主要部品を一体化した電動ユニットにより、燃費と静粛性をさらに向上させています。日産は同社のホームページ上のFAQ「e-POWERの進化について教えて。(概要・各世代の特長)」において、第3世代e-POWERは、第2世代e-POWER比で、高速燃費を15%改善するとともに、室内静粛性も5.6dB向上したとしています。
とくに静粛性の向上は、セレナにとってうれしい進化です。現行型も静かで滑らかですが、発電用エンジンの音がやや目立つ場面があります。前席と後席で会話をすることの多いミニバンにおいて、エンジン音が抑えられることは、家族にも伝わりやすいよさでしょう。
e-4ORCEは現行セレナにも用意されています。次期型では、第3世代e-POWERと組み合わせることで、加減速や旋回時の車体の動きをどこまで穏やかにできるかにも注目したいところ。新型エルグランドで好印象だったIDSも気になりますが、専用のダンパーや制御機器を備える必要があり、価格との兼ね合いが課題になりそうです。
運転支援の進化も、セレナが日産の技術を伝えるうえで欠かせません。日産は、新型エルグランドに2027年度末までに次世代プロパイロットを導入すると発表しています。高速道路だけでなく、市街地を含む一般道の複雑な交通環境にも対応することを目指した運転支援技術です。
現行セレナでは、最上級グレード「LUXION」にプロパイロット2.0を採用し、高速道路でのハンズオフ走行を支援しています。2016年に初代プロパイロットを初めて搭載したのもセレナでした。日産の運転支援技術を広めてきたモデルだけに、次期型にも、この新しい技術を受け継いでほしいところです。






















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