昨今の新車価格の高騰によって、「欲しいSUVが高すぎて手が出ない……」と悩んでいる人は少なくないでしょう。かつては身近だったはずのコンパクトクラスですら高額化が進み、気軽に買えるクルマが減ったように感じられます。
それでも、激戦区の市場を丹念に見渡せば、手の届きやすい価格で、走りや使い勝手にも満足できるコンパクトSUVはあります。今回は「車両本体価格が税込300万円以内」を条件に、筆者がすすめる3台を厳選しました(オプション代や登録諸費用などを含む支払総額が、300万円以内に収まることを保証するものではありません)。街乗りの経済性、家族や荷物を載せるための広さ、走りの心地よさ。それぞれの得意分野と購入前に確認したい点を、筆者の試乗経験も交えて紹介します。
文:吉川賢一/写真:トヨタ、ホンダ、スズキ
【画像ギャラリー】300万円以内でもここまで選べる!! ライズ・WR-V・フロンクスの内外装と荷室を写真でチェック(30枚)画像ギャラリー燃費のライズ、広さのWR-V、走りのフロンクス!! 300万円以内で推す3台
まずおすすめしたいのは、トヨタ「ライズ」のハイブリッド車です。最上級グレードの「Z(ハイブリッド・2WD)」は税込244万2000円。全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmと、今回選んだ3台で唯一、5ナンバー枠に収まるサイズです。
パワートレインには、1.2Lガソリンエンジンを発電専用とし、モーターだけで駆動するシリーズハイブリッド「e-SMARTハイブリッド」を採用しています。WLTCモードの総合燃費は28.0km/Lで、経済性の高さも強みです。
走らせて感じるのは、モーター駆動ならではの発進時の軽快さ。軽量な車体も相まって、アクセルを軽く踏み込むだけでスムーズに前へ進みます。最小回転半径は5.0m(Z)で、コンパクトな車体とともに、入り組んだ路地や狭い駐車場での扱いやすさにつながっています。
荷室容量も、デッキボードを下段にした状態で369Lを確保。街乗りでの取り回しや燃費だけでなく、荷物を積むための実用性も備えています。
ホンダ「WR-V」も価格と実用性のバランスでおすすめしたい一台です。上級グレード「Z+」の車両本体価格は税込254万9800円。駆動方式は全グレードで2WD(FF)のみの設定です。全長4325mm×全幅1790mm×全高1650mmと、ライズよりひと回り大きなボディに、1.5Lガソリンエンジンとパドルシフト付きCVTを組み合わせています。WLTCモードの総合燃費は16.2km/L。走りも軽快で、日常的な運転では力不足を感じませんでした。
WR-Vを選ぶ大きな理由になるのが、ゆとりある室内と458L(VDA方式、5名乗車時、床下収納を除く)の荷室です。後席は頭上にも足元にも余裕があり、大人が座っても窮屈さを感じにくい空間。荷室にもゆとりがあるために荷物が増えても対応しやすく、今回の3台では広さを重視する方にすすめたいモデルです。週末に家族や友人と出かけたり、アウトドアの荷物を積んだりする機会が多い人には、この広さが購入の決め手になるでしょう。
走りの心地よさや装備の充実度を重視する人には、スズキ「フロンクス」をおすすめします。2WD車の価格は税込254万1000円。全長3995mm×全幅1765mm×全高1550mmと、全長はライズと同じですが、幅広く背の低いクーペSUVのプロポーションが特徴です。1.5Lガソリンエンジンにマイルドハイブリッドと6速ATを組み合わせ、WLTCモードの総合燃費は19.0km/Lとなっています。
実際に走らせて筆者が評価したいのは、静粛性の高さと乗り味のよさです。ロードノイズが抑えられており、6速ATの変速にも心地よさがあります。加速は軽快で、日々の移動でも走りの質感を楽しめる一台です。最小回転半径は4.8mと、今回の3台ではもっとも小さく、取り回しのよさも強み。荷室容量はラゲッジボードを中段にした状態で210L、撤去時で290Lと控えめですが、走りの心地よさに加え、標準装備の充実ぶり(詳しくは後述)もおすすめする理由です。

































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