トヨタのGAZOO Racingが、2027年のダカールラリーに向けた新たな挑戦を本格化させている。今回投入するのは、水素を燃料とする燃料電池車(FCEV)「DKR GR FC Hilux」だ。車両製作はすでに完了しており、競技デビューに向けた走行テストが進められている。最高出力はなんと400kW(約544ps)。過酷な砂漠を舞台に、水素技術の可能性を探る。
文:ベストカーWeb編集部/写真:TOYOTA、編集部
【画像ギャラリー】544馬力の水素ハイラックスだ!! トヨタ「DKR GR FC Hilux」の迫力満点な姿をチェック!(7枚)画像ギャラリー最高出力400kW!! 水素で走るハイラックスが完成した
GAZOO Racingは2026年10月21日、2027年のダカールラリーに参戦する燃料電池車「DKR GR FC Hilux」の詳細を発表した。
今回のプロジェクトは、トヨタにとって水素を燃料とするFCEVで初めて本格的なモータースポーツ競技に挑戦する取り組みとなる。
参戦するのは、新しいパワートレーン技術を搭載した実験車両などを対象とする「Dakar Future Mission 1000」カテゴリーだ。従来の総合優勝を争うカテゴリーとは異なり、将来のモビリティにつながる技術の実証を目的としている。
注目すべきは、そのパワートレーンである。DKR GR FC Hiluxには、2基の燃料電池スタックを組み合わせたツインスタックシステムを採用。システム最高出力は400kW、馬力換算では約544psに達する。
燃料には圧縮水素ガスを使用し、トヨタの量産FCEV「MIRAI」と同じ高圧水素タンクを4本搭載する。水素搭載量は合計8.4kgだ。
走行時にテールパイプからCO2を排出しないFCEVが、世界でも屈指の過酷さを誇るダカールラリーで、どこまでの性能と耐久性を発揮できるのか。非常に興味深い挑戦となる。
ベースはダカール仕様のGRハイラックス! 足まわりやフレームを共用
DKR GR FC Hiluxは、ダカールラリーなどで活躍する「DKR GR Hilux」と同じプラットフォームを採用している。
チューブラーフレームやセーフティセル、サスペンション、ブレーキなどを活用しながら、パワートレーンを燃料電池システムに変更した構成だ。車体寸法は全長4500mm、全幅2300mm、全高2100mm。車両総重量は2500kg未満と発表されている。
サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン式で、ストローク量は350mmを確保。ラリーレイド車両らしい長大なストロークを持つ。さらに専用のeアクスルやIAV Dragoon ECU、新しい電子制御システムを採用。高電圧システム向けの新たな冷却技術も導入される。
ボディにはカーボンファイバーに加えて天然繊維を使用したパネルも採用した。軽量化だけではなく、素材そのものについても新技術の実証が行われることになる。
そしてタイヤにはTOYO TIRESの「OPEN COUNTRY M/T-R」を装着。オプカンが世界でも最新鋭のラリーマシンに搭載されるとは感動だ。
こうした構成を見ると、単に燃料電池を搭載した実験車両というだけではなく、過酷なラリーレイドの環境で実際に走らせるための本格的なマシンであることがわかる。









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