トヨタ・ヴォクシーの2017年7月販売台数は7970台、日産セレナは同年同月6467台。同年6月はヴォクシー6960台に対してセレナ7254台。
まさにつばぜり合いを続けているこの2車種。ガチンコで比べたらどっちがいい車なのか? 細かい仕様をチェックさせたら業界随一のジャーナリスト渡辺陽一郎氏が入念にチェック&対決させました!
文:渡辺陽一郎
ベストカー2017年9月10日号
■居住性、アレンジ、走行性能で比較
ここでは人気の高いヴォクシーXとセレナX・Vセレクションを比較した。
居住性は、1〜2列目は互角だ。3列目はセレナのほうが若干広い。
身長170㎝の大人6名が乗車して、1〜2列目のスライド位置を共通にすると、3列目に座る乗員の膝先空間はヴォクシーが握りコブシ2つぶんだが、セレナは2つ半が収まる。
(ただセレナが有利とはいえ)それでもヴォクシーも充分多人数乗車に適する。
シートアレンジはセレナが豊富だ。2列目の中央を1列目の間までスライドさせて収納設備に使える。この時は2列目の中央が通路になって車内の移動もしやすい。
ただし3列目の跳ね上げは、ヴォクシーがレバー操作だけで簡単に使える。多彩なアレンジが不要なら、ヴォクシーが便利な場合もある。
乗降性はヴォクシーが勝る。低床設計によりスライドドア部分の床面地上高を360mmに抑えた。セレナは70mmほど高く、乗降用のサイドステップが備わる。
床の低いヴォクシーは低重心で、背の高いミニバンのなかでは運転感覚が自然な印象だ。セレナは操舵に対する反応が鈍く、峠道では旋回軌跡を拡大させやすい。乗り心地は互角に近いが、改良を受けてヴォクシーが少し勝る。
動力性能はヴォクシーの車両重量が70kgほど軽く、吹き上がりは少し軽快だ。
安全装備と運転支援はセレナの圧勝。緊急自動ブレーキは歩行者を検知するものの、ヴォクシーは車両のみだ。
セレナにプロパイロットをオプションで装着すれば、車間距離を制御できるクルーズコントロールや操舵の支援機能も備わる。僅差でセレナ勝利。
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