2018年1月に開催された東京オートサロンで世界初公開された、トヨタの超ド級スポーツカー「GRスーパースポーツコンセプト」。
直前まで本企画担当も「本当に出るのかな……」と思っていたこのコンセプトカー、記者発表会で友山茂樹氏(トヨタ自動車副社長、Gazoo Racingカンパニープレジデント)が明言していたとおり、市販を前提に開発が進んでいる。
そのGRスポーツコンセプト、公開された情報とともに、現時点で本誌が掴んでいる情報、さらに会場でチーフエンジニアに取材した内容を、合わせてお届けしたい。
チーフエンジニアを務めているのは、なんとあのヒット作を生み出した方でした!
文:ベストカー編集部
ベストカー2018年2月26日号「姿を現した超大物!」より
■発売は2021年頃、価格は1億円オーバーは確実!!
東京オートサロンで世界初公開された「GRスーパースポーツ」はWEC(世界耐久選手権)参戦車「トヨタTS050」のロードバージョンとなる。
現時点ではこのレーシングマシンと同じパワーユニットを搭載する、としており、その概要はシステム出力1000psのV6、2.4L直噴ツインターボ+THS-R(トヨタハイブリッドシステム・レーシング)。
EVシステム、稀薄燃焼エンジンを組み合わせ、熱効率は驚異の50%を実現しており、市販時にはさらにその数値を上げると明言している。
ポイントは「市販車をベースにスポーツカーを作る」ではなく「レーシングカーからスポーツカーを作る」ということ。前述の友山副社長も、「トヨタとしては初めての挑戦」と言っていた。
実際にコンセプトカーを見てみると(会場ではフレームボディも公開された)、ラジエターをフロントに、インタークーラーをサイドに置くなど冷却系の位置は変更されているものの、中身はほぼTS050そのものなのだ。
そしてこのモデルのチーフエンジニアを務めるのは、トヨタC-HRを開発した古場博之氏。昨年5月からGRブランドに移籍し、今後はこのクルマの開発のためにドイツ・ケルンに駐在するという。
「レース用エンジンはほとんどアクセル全開か全閉でしか使われません。逆にロードカーはほとんど全開にしないので、ハーフスロットルでの排ガスを混合気の濃さや燃料を噴くタイミングなどで、細かく最適化させなければなりません。もちろん、排気系に触媒も付けますが、それでもパワーは出せます」
と古場氏。
当然のことながら、ただ単にWECマシンのTS050にロードカーのボディを載せればできるというものではなく、ここからの開発は一筋縄ではいかないと思われる。
その点に関し、オートサロン会場でつかまえたデザイン担当者は、「箱根駅伝でいうと、まだ往路の険しい山越えまでもいっていない段階です。これから時間はかかりますね」と現状を語る。
このクルマの特徴はレーシングカーを市販車にするというだけではなく、最先端のコネクテッド技術を満載する「近未来スポーツ」を具現化することにもある。
インテリアはスパルタンでもフォーマルでもなく「未来的」を目指しており、その点でも新しい価値観を提供するとのこと。
マクラーレンP1(約1億円)、ラ フェラーリ(約2億円)、AMGプロジェクトワン(約3億円)のカテゴリーとなるクルマだけに、価格も1億円オーバーは確実。100~200台規模の限定車として2021年頃の登場が予想される。
当サイトでも、情報がアップデートされ次第、お伝えしていきます。
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