エアコンを酷使する夏に気をつけたいクルマのトラブル、といえば、やはりバッテリーのトラブルでしょう。夏場はトラブルなく乗り切ったとしても、酷使されたバッテリーには確実に負荷がかかっており、冬になってトラブルが発生する、ということも。
JAFによると、ロードサービスの出動理由の第1位は、常に「バッテリー上がり」とのこと。2020年度のJAF出動件数のうち「バッテリー上がり」は882,740件(四輪:863,612件/二輪:19,128件)におよび、全出動件数の41.69%を占め、お盆休みには急増する傾向にあります。
その多くが、ライトや室内灯の消し忘れで、バッテリーが過放電となったというケースのようですが、なかには、破損や劣化をしていた、というケースもあるようです。
バッテリー上がりでJAFを呼ぶと、夏場にエンジンのかからないクルマのそばで何時間も待つことになり、そのうえ、入会していない場合は13,130円かかってしまいます。
突然のトラブルで困らないよう、バッテリーの劣化サインについて確認していきます。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:AdobeStock_metamorworks
写真:写真AC、AdobeStock、JAF
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寿命は使用状況によって変わってくる
前述したように、バッテリーが上がってしまう原因は、ライト等の消し忘れによる過放電の他にも、破損や劣化が考えられます。
一般的に、バッテリーの寿命は2~3年といわれていますが、夜間走行が多い、近所の買い物だけ、週末にしか使わないなど、普段長距離を走らないクルマの場合、これよりも寿命が短くなることがあります。クルマの使い方によってバッテリーの劣化具合は違ってくるため、交換時期は目安でしかないのです。
しかし、バッテリーの劣化具合は気にしていなければ気づきにくいため、気づかないうちに劣化が進んだ結果、ある日突然動かなくなる、ということになってしまうのです。
そうならないようにするためには、事前にバッテリーからの劣化サインに気づくことが重要です。一般的に、以下のような現象が、「バッテリー寿命」のサインとされています。
・エンジン始動時のセルモーターの回り方が弱くなった、もしくは遅くなった
・ヘッドライトやランプなどがエンジン回転数によって明るさが違ってきた
・パワーウインドウの動きが遅くなった
・アイドリングストップに入りにくくなった
筆者も先日、いつもはアイドリングストップ機能が働くタイミングでアイドリングストップしなくなったことで、バッテリーの劣化に気づきました。
使い古しの電池で豆電球をつけると灯りがチカチカと安定しないように、バッテリーが劣化していると、電子機器が正常に働かなくなります。バッテリーの寿命といわれる3年が近づいてきていて、ひとつでもサインが出ていたら、そろそろ交換時期と考えるほうがいいでしょう。
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