北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。
第44回は、日本一早い紅葉の第2弾、大雪山赤岳の紅葉をお送りします。
紅葉の絶景ポイント・銀泉台は、森林限界よりもちょっと下に位置するので、赤、黄に染まる木々と常緑樹が混ざり合い、山の斜面では、見事は色彩のカーニバルが繰り広げられています。
写真・文/佐藤圭
この季節、マイカー規制される紅葉の名所
大雪山赤岳が、その名の通り真っ赤に染まりました。
大雪山系には、黒岳、赤岳、緑岳と色の名がついた山がありますが、赤岳は、大雪山系のどの山から見ても山肌が赤く見えることから名付けられたそうです。
赤く紅葉するから名付けられたわけではないのですが、登山口である銀泉台から上り始めるとすぐに、見晴らし台という絶景ポイントがあり、見事な紅葉を見ることができます。
ここ数年ほどは、少し赤が弱い紅葉が続いていましたが、今年は、夏の晴天と暖かな気候によって見事な色づきとなりました。
撮れたてホヤホヤ、今年の紅葉をお送りします。
赤岳銀泉台の紅葉は、標高が1500m程とあまり高くないので、ウラジロナナカマドの赤、ダケカンバの黄色、常緑樹の緑の三色と、高く澄んだ青空、白い雲の美しいハーモニーが楽しめるのが特徴です。
今回は、朝の光を浴びて全山が赤く染まる姿、晴天の流れ雲とのコラボレーション、山霧に霞む紅葉と、どれを撮っても美しかったです。
赤岳は、高山植物の花々が咲き乱れる名所として有名で、登山口の銀泉台までは車で上がることができるので、夏の間は、花畑が目当ての登山客でにぎわいます。
最も人気があるのは紅葉の季節で、この季節になると、例年、マイカー規制が行われ、国道273号線の駐車場から先はシャトルバスに乗らなくてはなりません。
シャトルバスの始発は、朝6時なので、朝焼けの紅葉を撮影するためには、前日に別ルートから登り、白雲岳避難小屋に泊まって、夜中のうちに1時間ほどかけて移動し撮影しなければなりませんでした。
ところが、今年は、マイカー規制の開始が9月18日からとなったため、夜明け前に車で銀泉台の駐車場まで行くことができました(撮影したのは9月16日)。そこからは、15分ほどで絶景スポットの見晴らし台に行けます。
今年の紅葉のピークは、もう少し遅くなると判断されたんでしょうね。桜の開花と一緒で、紅葉のピークも予想するのは難しいですね。
幸運に恵まれて撮れた見事な紅葉、いかがでしたか?
佐藤 圭 kei satou
1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。MILLETアドバイザー。
日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。
2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。
ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/
Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612
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