無事是名馬なり!! タフなトヨタ車のなかでも壊れにくい名車5選

無事是名馬なり!! タフなトヨタ車のなかでも壊れにくい名車5選

 日本メーカーのクルマは、世界の中でも壊れにくいクルマが多く、中でもトヨタ車への信頼や評価は高い。そこで今回は、筆者のディーラーでの体験や身の回りの出来事を踏まえながら、壊れにくさに定評のあるトヨタ車を5台紹介していく。

文/佐々木 亘、写真/TOYOTA

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■日常的なトラブルの少ないクルマ=壊れにくいクルマ

 今回、筆者は壊れにくいクルマを次のように定義する。

・ディーラーに修理依頼が少ない
・ノントラブルで走行距離15万kmを超える個体が多くある
・販売開始から長い年月(10年以上)が経過しても、今なお現役で走り続けている

 なお、トラブルは日常的に使用していて発生する劣化、故障をメインに考える。生産ラインで発生する先天的なトラブル(リコール・サービスキャンペーン)は除いた。修理入庫が著しく少なく、健康体のまま壮年期までを過ごせる印象の強いクルマは次の5台だ。

●第1位:17系クラウン(1999年~2007年)

11代目クラウンは複雑な電装品も少なく、足回りやエンジンもシンプルで組み立ての精度も高い
11代目クラウンは複雑な電装品も少なく、足回りやエンジンもシンプルで組み立ての精度も高い

 お馴染みのロイヤル・アスリートに加えて、マイルドハイブリッド搭載のモデルや、ステーションワゴンのエステートが生まれた11代目クラウン。

 複雑な電装品が少なく、足回りからエンジン、その他機械類に至るまで、現在のクラウンとは比べ物にならないくらいシンプルな造りだ。上質さと洗練された高級感を生み出すため、個々のパーツを組み上げる精度が非常に高い。

 シンプルでしっかりとした組み上げがされる17系クラウンだからこそ、故障が少なく、今なお現役で走行しているクルマが多く見受けられる。歴代クラウンの中でも、最も壊れにくい印象が強いのが17系だ。

●第2位:JZS16系アリスト(1997年~2005年)・S19系レクサスGS(2005年~2012年)

直列6気筒エンジンはトラブルが少なく、しっかりと作られた足回りとシャシーで経年劣化が現れにくい
直列6気筒エンジンはトラブルが少なく、しっかりと作られた足回りとシャシーで経年劣化が現れにくい

 アリストの血統も丈夫なクルマが多い。ネッツ店の最上級車であったアリストと、国内レクサス開業時のGSは、今も元気に走る姿を見せてくれる。

 直列6気筒エンジンを搭載するアリストはエンジントラブルが少なく、しっかりと作られた足回りとシャシーで、経年劣化による乗り味の変化も少ない。

 また、耐久性という面ではGS350のAWDが群を抜いていた。同型のハイブリッドやFRモデルよりも、不具合が圧倒的に少なく、過走行気味になってもビクともしない。油脂類をしっかり交換し、ブレーキとタイヤのケアをしておけば、安心して乗り続けられるクルマである。

●第3位:30系プリウス(2009年~2015年)

実は筆者の愛車も30系プリウス。9年で走行距離15万キロを超えているが故障は一度もない
実は筆者の愛車も30系プリウス。9年で走行距離15万キロを超えているが故障は一度もない

 爆発的ヒットをしたプリウスの3代目。ハイブリッドバッテリーに難ありと言われている世代だが、15万キロ越えでもまだまだ元気に動く。

 筆者も30系プリウスのユーザーであり、新車で購入した愛車の走行距離は9年で15万キロを超えた。現在も実燃費は20km/Lを超え、故障は一度もない。

 大きな交換部品といえば、4度目の車検で初めてブレーキパッドとローターを交換した程度だ。基本的には油脂類とワイパー、タイヤ交換だけで、健康に走ってきた。

 ハイブリッド車の中では、最も壊れにくいクルマの一つに挙げられるのが30系プリウスだ。途方もない距離を走るタクシーでも、まだまだ現役で活躍する姿が多いのも頷ける。

●第4位:30系ハリアー(2003年~2013年)

特に3.3Lエンジンを搭載するハリアーハイブリッドは耐久性が高く不具合が少なかった
特に3.3Lエンジンを搭載するハリアーハイブリッドは耐久性が高く不具合が少なかった

 プレミアムSUVの先駆車とも言えるハリアー。2代目ハリアーの中でも耐久性が高く、不具合が起きにくかったのは3.3Lエンジンを搭載するハリアーハイブリッドだ。

 現在でも国内で走行する姿は多く、走行距離が20万キロ近い個体でも、しっかりと取引される。海外からの引き合いも多い。

 丈夫な心臓部は、とても信頼がおける。ガソリン車に搭載される2AZエンジンも、ハリアーのモノはトラブルが少ない。本当に長く乗れるプレミアムSUVである。

●第5位:アイシス(2004年~2017年)

一度もフルモデルチェンジが行われず姿を消した不遇のクルマとしても知られるが、ボディの骨格強度は他の乗用車よりも高く、経年が原因のヨレも少なかった
一度もフルモデルチェンジが行われず姿を消した不遇のクルマとしても知られるが、ボディの骨格強度は他の乗用車よりも高く、経年が原因のヨレも少なかった

 アイシスは、13年もの間、一度もフルモデルチェンジを行わずに生涯を閉じるという珍しいクルマである。

 壊れにくさの基礎となるのは強靭なボディだ。開口部が広いパノラマオープンドアを採用しながら、ボディの骨格の強度は他の乗用車よりも高い。

 筆者は東日本大震災の当時、津波の被災地域で被害に遭ったクルマを数多く見ている。原型をとどめないクルマが多い中で、アイシスの特徴的な骨格は、潰れることなくほとんどが形を残していた。

 年数が経ってもボディのヨレが少ない。足回りやシャシーなどにも悪影響が出にくく、エンジンもシンプルで丈夫なため、目立った故障が起きにくいのがアイシスの良いところだ。

 シンプルで使いやすく故障も少ない。ファミリーカーとしては最高の一台だと思う。

 一般的に壊れにくいトヨタ車のイメージは、ランクル・プラド、ハイエースやプロボックスに強い。しかし乗用車でも耐久性の高いクルマは多くある。

 しっかりとした定期メンテナンスで油脂類を交換し、何より走ってあげることがクルマには一番いい。「壊れにくいから走行距離が長い」こともあるが、「走行距離が長いから壊れにくくなる」という事実があることを、知っていて欲しい。

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