もうじき北京オリンピック。ま、政治的にはいろいろ含むところもあるようですし、オミクロン株の感染拡大がどう影響するのかも気がかりですが、ここでは、ごくごく単純に五輪を開催する国のケタ外れの大きさに驚いていただきましょう。
世界最大の自動車市場の国・中国は、世界最大のトラック市場でもあるんですね。大型トラックだけでも2019年に117万4000台が売られており、過去最高記録を更新しました。
ちなみにわが国の2019年度大中型トラック新車登録台数は9万1857台で、これでも割と多かったんです。だけど、中国はその13倍というケタ外れの市場規模! おったまげるしかありません。
中国は、国産車メーカーが非常に多いことも特徴なんですね。計画経済時代は、自動車メーカーの生産車種も指定され、大型トラックメーカーは数社に限られていました。それが今では、統計に表れているメーカーだけでも20社以上あるんです。
もっとも、それらの生産規模には大きな差もあるのも事実なんですが、今回紹介するのは、そのうちのビッグ5です。といっても、1社だけで日本の市場規模を軽く上回る年間生産台数10万台超のメーカーばかり。この5社だけで中国の生産台数の7割を占めているというから、まさなビック5なんです。
文/フルロード編集部・緒方五郎 写真/中国の各メーカー
*2020年9月発売「フルロード」第38号より
■今やトラックの先進装備や排ガス規制レベルで先進国に匹敵する中国
ほんの10年前の中国は、日米欧のトラックに比べてはるかに装備は簡素で、高度なブレーキシステムは搭載しておらず、排ガス規制もはるかにユルいレベルだった。
それが今では、コネクティビティや自動変速機、ADAS(先進ドライバー支援システム)の装備が導入され、排ガス規制は大気環境の悪化が問題となっている国だけに、欧州ユーロⅥ規制よりも厳しい「国6」が制定され、20~23年にかけて段階的に施行されている。
また、トラックでも電気自動車やハイブリッド車、燃料電池車などの新エネルギー車の開発と普及が進められており、EVとFCVの普及台数も世界最多だ。ADASは現在、法制化が準備されており、自動運転や隊列走行についても技術開発が行なわれている。
いっぽう中国車には、どこかで見たようなキャブも少なくないが、見た目だけのマネやリバースエンジニアリングによるコピーばかりではなく、現地生産された「本物」もある。もっともビック5でさえ、(減ってはいるが)いまだコピーキャブが生産されているのも事実である。
トラックのクラス分けは、GVW(車両総重量)14t超が大型(重型)、6.0~14tが中型、1.8~6.0tが小型(軽型)、1.8t以下が微型とされる。
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