ヒェ~ 日本の13倍も売れている! ケタ外れの中国のトラック事情におったまげる!【中国のトラックメーカービッグ5特集】

■一汽解放汽車(FAW)のトラック

新しいフラッグシップ大型モデル「解放J7」。現時点ではセミトラクタのみ発売され500~560hpの錫紫エンジンを搭載する。T/Mは内製マニュアルとZF製AMTを設定している
新しいフラッグシップ大型モデル「解放J7」。現時点ではセミトラクタのみ発売され500~560hpの錫紫エンジンを搭載する。T/Mは内製マニュアルとZF製AMTを設定している

 一汽解放汽車は、1953年に長春に設立された中国最初の自動車メーカー・第一汽車製造廠、現在の第一汽車集団の傘下トラックメーカーである。「解放」とは、56年に発表された初の国産トラック「解放」CA10型に由来する。

 以来、5~6t積ボンネットトラックを生産していたが、80年代にキャブオーバー化とディーゼル化が企図され、三菱自工のふそうキャブ技術導入が84年から試みられた。これは正式生産に至らなかったが、結果的にCOE型解放は、ふそうキャブの影響を強く受けていた。

 大型トラックは4年連続、中型車を含めば3年連続で国内トップシェアを維持、大型トラクタは14年連続で首位である。

「解放J6L」中大型モデル。単車は4×2、6×2、6×4、8×4、セミトラクタは4×2を展開する。エンジンレンジは系列2社の140~350hp
「解放J6L」中大型モデル。単車は4×2、6×2、6×4、8×4、セミトラクタは4×2を展開する。エンジンレンジは系列2社の140~350hp
新たに参入した小型トラック。左が「青島解放虎V」右が「一汽解放J6F」。エンジンレンジはJ6Fが107~190hpで、虎Vは90~170hp
新たに参入した小型トラック。左が「青島解放虎V」右が「一汽解放J6F」。エンジンレンジはJ6Fが107~190hpで、虎Vは90~170hp

■東風商用車(DONGFENG)のトラック

大型・天龍のニューモデル「KL」。エンジンレンジは260~560hpで東風、東風ルノー、東風カミンズ、T/Mは内製マニュアルとボルボ製、ZF製、法士特製のAMTが設定される
大型・天龍のニューモデル「KL」。エンジンレンジは260~560hpで東風、東風ルノー、東風カミンズ、T/Mは内製マニュアルとボルボ製、ZF製、法士特製のAMTが設定される

 東風商用車は、中国第2の国産メーカーとして1969年に十堰に設立された第二汽車製造、現在の東風汽車集団の傘下トラックメーカーだ。

 「東風」は、75年に生産開始した最初の二汽製品・「東風」EQ240型軍用トラックにちなむ。93年から日産ディーゼルの技術供与によるキャブオーバートラック・EQ153型を投入した。

 96年には日デ車の現地生産を行なう合弁企業・東風日産ディーゼル汽車も設立された。

 2003年、日産自動車との合弁で中大型トラック部門を東風商用車として分社、13年に合弁相手がボルボグループへ移行し、東風日デも東沃貨車となった。合弁は継続中だが、中国市場では東風ブランドに注力する戦略とし、UD車の展開は終了している。

 中国市場では一汽解放とトップシェアを激しく争っており、僅差で2位となっている。

2019年に発売された新型の中大型トラック「天錦KR」。キャブは内外装ともに新開発された。同クラスの天錦VRの上級モデルとなる。エンジンレンジは180~300hp
2019年に発売された新型の中大型トラック「天錦KR」。キャブは内外装ともに新開発された。同クラスの天錦VRの上級モデルとなる。エンジンレンジは180~300hp
「天龍KC」特装系大型モデル。エンジンレンジは200~465hp、東風、東風ルノー、東風カミンズ、玉紫、聯合(CNG)、T/Mは内製マニュアルと法士特製AMTを設定
「天龍KC」特装系大型モデル。エンジンレンジは200~465hp、東風、東風ルノー、東風カミンズ、玉紫、聯合(CNG)、T/Mは内製マニュアルと法士特製AMTを設定

■中国重汽(CNHTC)のトラック

汕徳貨=SITRAKブランドの最新大型モデル「汕徳貨G7」。エンジンレンジは400~540hpで、T/Mは内製のマニュアルとAMTを設定
汕徳貨=SITRAKブランドの最新大型モデル「汕徳貨G7」。エンジンレンジは400~540hpで、T/Mは内製のマニュアルとAMTを設定

 中国重汽、正しくは「中国国家重型汽車集団」は、中国初のGVW14t以上の大型トラックメーカーとして、1956年に済南に設立された。60年に、初の8t積トラック「黄河」JN150型の生産を開始した。

 73年にはJN161型が開発されたが、79年に共産圏の友好国ルーマニアのトラックメーカー・ローマンの技術(キャブ?)を導入した10t積トラック・JN162型が普及する。

 中国重汽は、済南汽車、陝西汽車、四川紅岩汽車で構成されていたが、2000年に分割され、済南が中国重汽を継承した。


  03年にボルボとの合弁で「HOWO(華沃)」ブランド車を発売。さらに09年にはMANとの合弁で済南商用車を設立、11年から「SITRAK」ブランドを展開している。さらに19年に「豪瀚」そして新型「斯太爾(シュタイア)」を発表した。

 大型トラック国内シェアは3位だが、海外輸出は13年連続で首位という。

豪沃=HOWOブランドの大型モデル「豪沃T5G」。以前はボルボ型キャブだったが、現行型はMAN型キャブとなり、かつ汕徳貨とは前面デザインを差別化
豪沃=HOWOブランドの大型モデル「豪沃T5G」。以前はボルボ型キャブだったが、現行型はMAN型キャブとなり、かつ汕徳貨とは前面デザインを差別化
シュタイアの血統を引く大型トラック「斯太爾M5G」。写真のキャブはシュタイアオリジナルの独自改造版だが、UDクオン型もある。重汽160~380hpと内製MTを組み合わせる
シュタイアの血統を引く大型トラック「斯太爾M5G」。写真のキャブはシュタイアオリジナルの独自改造版だが、UDクオン型もある。重汽160~380hpと内製MTを組み合わせる

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