ロードスターは欧州デザイン超え!? 「角」と「丸」の名デザイン国産車6選

ロードスターは欧州デザイン超え!? 「角」と「丸」の名デザイン国産車6選

 デザインが優秀なクルマというとやはりイタリア車などを浮かべる人も多い。しかーし!! 国産車だって長年の歴史で秀逸なデザインも生まれてきました。

 今回はデザインについては人一倍厳しい、清水草一さんが国産車の「丸形デザイン」、「角形デザイン」の名作を決めてくれました。

 現行車までランクインする名作たちをご覧あれ。

文:清水草一/写真:ベストカー編集部
ベストカー2018年8月10日号


■丸っこいクルマの傑作デザインはスバル360だ!!

 丸っこいクルマにしても、角っぽいクルマにしてもいいデザインはあった。もともと国産乗用車は丸から始まっている。初代クラウンはその典型。モロにアメ車の影響だけど。

 そんななか、スバル360のデザインはスバラシイ!

まさに「丸」なイメージのスバル360。非常にキュートな印象だがまさに意味があっての丸みでもあった

 もともとスバルは航空機メーカーの流れを汲んでいて、あの丸さは、当時超先進的だったモノコックボディを採用しつつ、強度を持たせるために生まれたもの。つまり理由のある丸さだったというのがまたスバラシイ!

初代ヴィッツは爆発的人気を誇ったのはご存じのとおり。そのなかにデザインの新鮮さ、小さくてもオシャレ、という要素も多くあった

 続いて取り上げたい丸の傑作は、初代ヴィッツだ。あれはギリシャ人デザイナー・コボス氏の手によるものだが、充分な居住性を確保しながら、フォルムの凝縮感が非常に高く、それでいて実に斬新。

「ついにホンモノのヨーロピアン・デザインの国産コンパクトカーが生まれた!」と思ったものだ。つまりヴィッツは、丸いのの本家(欧州)直系だった。

 当時は「安いクルマはカッコも安っぽくて当然」という常識があったが、ヴィッツは安くて美しかった。国産車の革命でした。

 丸の傑作最後の1台は、現行のマツダロードスターを挙げさせていただく。ロードスターは初代のコンセプトを一途に守っているが、4代目にいたってパーフェクトな完成形になったと見る。

曲線美が美しいロードスター。マツダが全面に押し出した”ソウルレッド”という赤色もまた新鮮だった

 ついに国産メーカーの内製デザインが、ヨーロッパを超えた! これは日本車デザインの金字塔!  涙が出ます。

■四角いデザインの傑作はあの軽自動車もランクイン

 四角いデザインの傑作その1は、本文でも触れた510ブルーバード。まぁ、今見ると「これが四角?」という声もあるでしょうけど、これは明らかに四角なんですよ!

510ブルーバードはカッチリしている印象。日産が本格的にアメリカでの地位固めを始めたクルマで現地でも人気だった1台だ

 これを現代的に解釈したのが2013年のコンセプトカーの日産IDx。明らかに四角いよネ?

 続いてソアラ。私は、ソアラが日本人に何かを目覚めさせたように思えてならない。

 日本人にはものすごくエレガントで高級に見えたんだけど、欧米人にはほぼ理解されなかったという点に、日本人の特殊な感性を解明するカギがある。

いま見るとやはり古さこそ隠せないが、日本人独特の美的感覚が初代ソアラを支持したのだろう

 あれは自動車デザインにおける、和風高級旅館だったのかもしれない。あるいは正倉院?

 そして3台目。これはもう先代N─BOXしかない。初代ステップワゴンでもいいんだけど、あれが進化を続けると初代N─BOXになると思えばいいのだ。

現行N-BOXも売れまくっているが、初代の衝撃はかなり大きかった。軽自動車ながら安っぽくないデザインで新たな風を吹かせた

 日本での実用速度域を考えたら、空力はおおむね無視していいわけで、そのなかで最大限の居住性を追求して、くつろぎの空間を提供している。

 本文でも触れましたが、カスタム系のオラオラ顔も、日本的な心地よさの一種なのではないか。魔除けみたいなもんですね。鬼瓦とか金のシャチホコとかと同種の。

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