ホンダがインサイトの日本復活を正式に発表した。とはいっても燃費も価格も非公開だが、エンジンのスペックなどは判明。
インサイトと言えば、エポックメイキングな初代、そしてプリウスに”エコカー”として立ち向かった2代目など一度は消滅した車名。
セダン不況の今日に、ホンダがインサイトを日本で復活させる意図とは? 新型インサイトの概要を振り返るとともに、インサイトのこれまでも振り返ります。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ホンダ、ベストカーWeb編集部
■シビックより大きくアコードより小さい
ホンダが2018年11月1日に新型インサイトのティザーを公開した。発売時期は2018年内とのこと。
先立って行われたメディア向け撮影会では新型も展示されていたが、過去のインサイトと比較するとかなり大きい。
ホンダによると「シビックとアコードの中間に位置する」というポジショニング。サイズは全長4675×全幅1820×全高1410mm。
シビックセダンが全長4650×全幅1800×全高1415mm、アコードが全長4945×全幅1850×全高1465mmとなる。サイズはややシビックより、といったところだろう。
エンジンスペックは1.5Lの直4エンジンに、ホンダお得意のi-MMD(2モーターハイブリッド)を搭載。スペックは次のとおり。
・最高出力:109ps/6000rpm(エンジン)、131ps/4000-8000rpm(モーター)
・最大トルク:13.7kgm/5000rpm(エンジン)、27.2kgm/0-3000rpm(モーター)
燃費は公開されていないが、同様のパワーユニットを搭載する北米仕様のカタログ燃費から推測はできる。
北米仕様は市街地燃費が55MPG(約23.4km/L)、ハイウェイ燃費が49MPG(約20.8km/L)、混合燃費が52MPG(約22.1km/L)となっている。
日本仕様のWLTCモードでもこの数値に近いと予測されるが、装備などの増減で変わる可能性はありそうだ。
■インサイトのこれまでとこれから
思い起こせば初代インサイトが登場したのが1999年。NSXを連想させるようなアルミボディで、燃費スペシャルとして登場した。
その初代インサイトが発売されたのは偶然なのか必然なのか、今回の発表と同様の11月1日だった。
2シーターでリアホイールが覆われた近未来的なcd値0.25を誇るスタイリング、そして車重820kg(MT車)というスペックは強烈だった。
販売面では苦労したが、35km/L(10.15モード)という驚異的な燃費で来るエコカー時代を予感させた1台だ。
2代目は2009年2月に登場。2代目インサイトは完全なるハイブリッドカーで、仮想敵はまちがいなくトヨタプリウスだった。
189万円からという低価格設定、そして走りのよさをもってプリウスへの勝機は揃ったかのように思っていた。
しかし同年5月にデビューした3代目プリウスは、周囲の予想を大きく下回る205万円からの価格設定。
これにより2代目インサイトのアドバンテージも消え、評価されながらも消えていった過去がある。
そして今回の3代目、ライバルは車格からしてもプリウスではなくカムリなのだろう。「シビックとアコードの間」とホンダが公言する立ち位置が日本市場ではどう受け入れられるのか。
価格や燃費など、今後の続報にも期待したい。
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