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北海道の高速グラベルで快走

配信元:TOYOTA
北海道の高速グラベルで快走

 9月9日(金)〜11日(日)にかけて、2022年シーズン全日本ラリー選手権(JRC)第7戦「RALLY HOKKAIDO」が北海道帯広市を拠点に開催され、TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)の勝田範彦/木村裕介組が勝利を飾りました。眞貝知志/安藤裕一組はリタイアに終わっています。

正確なコントロールで高速コーナーを駆け抜ける勝田範彦/木村裕介組正確なコントロールで高速コーナーを駆け抜ける勝田範彦/木村裕介組

 モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的に、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTGR。GRヤリスをベースとする「GR YARIS GR4 Rally」を2021年から投入し、最上位カテゴリーであるJN1クラスに挑戦しています。

 第6戦ラリー・カムイから約2カ月を経て、今回のラリー北海道がシーズン2戦目、かつ最後のグラベル(未舗装路)ラリーです。平均速度が100km/hを超える高速スペシャルステージ(SS・タイムアタック区間)から、轍のできやすいSSなど、バラエティに富んだルート構成が特徴です。

 また、今回はラリー北海道としては3年ぶりに有観客での開催を実現。帯広駅前で行われたラリーショーやセレモニアルスタートには、多くの観客が集まりました。チームは2カ月のインターバルを利用し、前戦で得られたデータをベースに、GR YARIS GR4 Rallyの熟成を進めました。20kmを超える長距離SSやハイスピード区間に対応すべく、入念に足まわりなどの調整を実施しています。

 勝田選手はアップデートされた車両の感触を確かめるように、序盤は慎重なアプローチで走行。午後にはペースアップを図り、SS5でトップタイムを記録して首位に立ちました。さらにSS7でも2度目のトップタイムをマークし、2番手に12.6秒差をつけて初日を終えています。眞貝選手も途中まで6番手を走行していましたが、SS7でコースオフ。車両のダメージが大きく、リタイアを余儀なくされました。

 勝田選手は最終日に残された3つのSSでも安定したペースで走行し、首位を守ってフィニッシュ。5月の第3戦久万高原ラリー以来となる今季2勝目、そしてラリー北海道2連覇を達成しました。

 なお、今大会は「旭川トヨタ自動車株式会社」より、メカニック2名がチームに加わり、メンバーとともにGR YARIS GR4 Rallyの整備を実施しました。

■勝田範彦(ドライバー)
 まさにチーム力による勝利です。多忙な中、テストや開発を続けてくれたチームに心から感謝しています。試行錯誤を繰り返しながら、その中で最適なセットアップを見つけて、厳しいラリー北海道に挑むことができました。彼らの頑張りに結果で応えられたことをうれしく思います。

 今回は久々の有観客開催となりましたが、セレモニアルスタートやフィニッシュには、たくさんの方々が集まってくれました。選手としては、やはり気持ちが盛り上がります。そして、チャンピオンを決めたヘイキ・コバライネン選手と北川紗衣選手には、心からおめでとうと言いたいです。

■眞貝知志(ドライバー)
 SS7の終盤、オーバースピード気味に砂煙の立ち込めたコーナーに進入してしまったことで、リヤ側からコースオフ、転倒してしまいました。リタイアするまでは、JN1クラスのスピード域で戦う北海道のステージで、初めてと言っていいほど気持ちよくドライブできていました。

 ラリー中のセットアップの変更も的中し、クルマの仕上がりの良さを実感していたので本当に残念ですし、チームにも申し訳なく思います。最終戦は再びターマックラリーのハイランドマスターズです。第6戦モントレーまでの舗装路連戦で積み上げたものを活かして、しっかりと結果を持ち帰りたいと思います。

■藤井亮輔(勝田号メカニック)
 今年から勝田選手の車両を担当しています。今回は左前輪とフロントの下まわりを担当しました。まずは優勝に貢献できたことがうれしいです。私自身にとって初のグラベルラリーとなり不安もありましたが、砂まみれの車を確実に点検、調整、修復する難しさ経験し、最も成長を感じたラリーとなりました。

 これまでは実験設備の保全やGRMNヤリスの開発に携わり、今はクルマを鍛える最前線にいます。将来的にはすべての開発業務を俯瞰し、もっといいクルマづくりができる環境を提案していけたらと考えています。

■東條勇(エンジニア)
 普段はレクサス パワトレ性能開発部で、G16Eの量産エンジン開発を担当しています。私自身は昨年のラリー北海道に引き続き、本年のラリー新城以来の参加となります。2021年のラリー初戦よりエンジン開発エンジニアが毎回チームに参加し、現場でないと分からないチームの熱やサービスのあいだでのスピード感求められるデータ解析、新たに明らかになる課題を部署全体で共有し、レースでの勝利と将来量産車の開発に活かしております。

 今回のレースでは、チーム全員の対策努力の成果により昨年に続き優勝できましたが、クルマの性能だけでなく、データ解析作業の無駄を見つけ対策したことで手順やスピードが大きく改善され、色々な気づきや改善点もありました。良いクルマ開発と共にまだまだやるべきことがあり、その分伸びしろも残されていると感じました。

■佐藤誠(旭川トヨタ自動車株式会社)
 眞貝選手の車両整備を担当しました。初めてラリーというものに触れましたが、大変厳しい世界であると感じました。初めての作業では緊張もしましたし、手もうまく動かなかったのですが、周囲の皆さんがサポートしてくれました。

 ひとつの目標に向かって全員で仕事をこなす、チームワークの大切さをあらためて感じました。私は職場で教育を担当していますので、新入社員にはラリーやモータースポーツの素晴らしさを伝え、社内のエンジニアたちには厳しい世界でこそ得られるものも大きいことを伝えていきたいですね。体の動かし方や効率的な考え方など、参考にすべき点が多かったと思います。

前年に続きラリー北海道で勝利を挙げた 勝田選手/木村選手前年に続きラリー北海道で勝利を挙げた
勝田選手/木村選手今回は「旭川トヨタ自動車株式会社」のメカニック2名が加わり眞貝選手の車両整備を実施今回は「旭川トヨタ自動車株式会社」のメカニック2名が加わり眞貝選手の車両整備を実施

RALLY HOKKAIDO JN1クラス最終結果

  1. 1 勝田 範彦/木村 裕介(GR YARIS GR4 Rally)
    1:10:22.5
  2. 2 奴田原 文雄/東 駿吾(GR YARIS GR4 Rally)
    +8.2
  3. 3 新井 敏弘/田中 直哉(スバルWRX STI)
    +8.8
  4. 4 鎌田 卓麻/松本 優一(スバルWRX STI)
    +42.3
  5. 5 福永 修/齊田 美早子(シュコダ・ファビアR5)
    +1:10.3
  6. 6 石川 昌平/竹藪 英樹(トヨタGRヤリス)
    +3:55.8
  7. 7 徳尾 慶太郎/石田 一輝(トヨタGRヤリス)
    +5:38.5
  8. 8 堀田 信/河西 晴雄(トヨタGRヤリス)
    +12:40.6
  9. 9 ヘイキ・コバライネン/北川 紗衣(シュコダ・ファビアR5)
    +22:46.4
  10. R 眞貝 知志/安藤 裕一(GR YARIS GR4 Rally)
  11. 参戦15台、完走9台
TOYOTA GAZOO Racingは、「もっといいクルマづくり」のために「人を鍛え、クルマを鍛える」活動の一環としてGR YARIS GR4 Rallyで全日本ラリー選手権に参戦し、将来の車両開発に活かします。
TOYOTA GAZOO Racingの全日本ラリー選手権(JRC)における活動は、パートナー企業の皆さまによって支えられています。

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詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
http://toyotagazooracing.com/jp/jrc/release/2022/07/

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