日本民営鉄道協会では、2022年10月1日(土)から11月30日(水)までの2か月間、WEB上で「駅と電車内のマナーに関するアンケート」を実施し、3,305人から回答を得て集計した結果が発表された。バスにも同様のことが起きているので、みんなで注意しよう。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
(写真はすべてイメージです)
上位は相変わらず“座り方問題”……
アンケート結果では、「座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)」が昨年の2位から、2年ぶりの1位になった。昨年1位だった「騒々しい会話・はしゃぎまわり」が僅差で2位となり、3位は昨年と同じく「乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)」だった。
路線バスの場合は中扉の前は人が立つとセンサーが働き扉の開閉ができないので、満員で立席の場合は少し注意しよう。
また、今年度のアンケートの特徴として、昨年6位だった「荷物の持ち方・置き方」が4位に上昇、5位には「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」(昨年4位)、6位には同率で「スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等)」(昨年5位)、「ゴミ・ペットボトル等の放置」(昨年7位)が続く結果。
また、11位には「その他」(昨年15位)がランクインしており、その主な内容は「柔軟剤や香水のきつい香り」「嘔吐」などだった。
さらに「新型コロナウイルス感染症がまん延する中で、電車利用時に気になること」の設問に対しては「マスク未着用者」と回答した方は約6割、「周囲の人との会話」と回答した方は約5割と、昨年より1割以上減少しているものの、依然として新型コロナウイルス感染症への警戒が継続していることが読み取れる。
なお逆の質問、つまり電車や駅を利用している際の「うれしかった」「心が温まった」行為としては、「妊婦や、お年寄り、怪我をしている方に席を譲っていたこと」や、「駅員さん・車掌さんの温かい一言・アナウンス」、「駅構内がきれいに保たれていること」などの回答があった。
東西ランキング?
同調査で面白いのは東西の大手私鉄での地域差ランキングだ。関東の大手9社では、1位は騒々しい会話・はしゃぎまわり、2位は座席の座り方、3位は乗降時のマナー、4位は周囲に配慮せず咳やくしゃみ、5位はスマートフォン等の使い方であった。
一方、関西の大手5社のランキングでは、1位は荷物の持ち方・置き方、2位は騒々しい会話・はしゃぎまわり、3位は座席の座り方、4位は乗降時のマナー、5位は優先席のマナーとなっている。
これは記者の見解に過ぎないことをあらかじめお断りしておくが、上記ランキングで騒々しい会話の順位が東西で異なる。関西の方がうるさいというイメージがあるが、みんながうるさいのでさほど気にならないのか、関東とは順位が異なっている。
また、優先席マナーについては、関東では常に満員電車なので空いていれば優先席でも座る傾向にあるが、関西では何があっても座らずに空けておく傾向にあると認識している。よって優先席に座ると関西では目につくのだろうか。