クルマ好きなら間違うことは極めて低いガソリンスタンドでの油種選択。しかし未だに「軽自動車だから軽油で」というミスが起き続けている。月間100件超の誤給油の救援をこなしているJAFの苦悩が見えてきた。
文:ベストカーWeb編集部/写真:JAF、ベストカー編集部/調査データ提供:JAF
■おなじ「軽」だからって間違うものなのか?
軽油と軽自動車。たしかに「軽」という文字は共通している。しかし軽油とガソリンは異なる燃料だし、軽油はディーゼルエンジンに使うものという認識はクルマ好きなら当然のものだろう。
しかし未だに「軽自動車に軽油」のような油種選択間違いは後を絶たないというJAFのレポートが発表された。
もちろんガソリン車からディーゼル車に乗り換えたばかりで「ついうっかり」もあるだろうし、普段はディーゼル車に乗っていてたまたま借りたレンタカーに軽油を入れたという例もある。
JAFの最新調査によれば「ガソリン車に軽油を入れた」のが59%、その逆で「ディーゼル車にガソリンを入れた」のが41%という。なんと全体の件数は2022年10月だけで105件というから驚きだ。
■もし油種を誤って給油をしてしまったら?
とはいえ人間はミスをするもの。もし誤った種類の油種を給油してしまったらどうすればいいのか? まず絶対に「エンジンを始動しないこと」。給油中にミスに気が付いたら「邪魔になるから」「恥ずかしいから」なんて理由があろうと、絶対にエンジンを始動して移動を試みてはいけない。
給油タンクに入った燃料が燃料ポンプからエンジンに供給され、異常燃焼を起こせば想定以上の修理金額がかかってしまう。逆に燃料を入れてしまっただけであれば燃料の抜き取り、燃料タンクの洗浄などで事なきを得る可能性が高い。
あとはガソリンスタンドスタッフに相談をして、対応ができなければJAFやロードサービスに連絡して救援を待つしか方法はない。素人が付け焼刃であれこれやる意味は誤給油した後にはもはやないのだ。
■「そんなミスをするわけない」が命取り
油種間違いは給油時に必ず油種を確認することで防げるミスだが、注意したいのがガソリン車とディーゼル車など複数のクルマを持っているオーナーだ。
編集担当の知人は軽自動車(妻)とディーゼル車(夫)を家族で使い分けていた。しかし軽自動車を車検に出した際に妻が運転。夫を職場まで送迎して、自分はさらにその先の職場へ。退勤後に給油をしようとガソリンスタンドで……といったケースもよく耳にする。
「そんな凡ミスするわけないじゃん」と思わず、給油時は鉄道マン並の「指差し喚呼」が転ばぬ先の杖だ。月間100件も発生している事故だけに気を付けてほしい。
【画像ギャラリー】ガソリンもディーゼルもあるのよね……誤給油には注意してほしい名車たち(3枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方