愛車を大きくイメチェンするなら塗装やカラーラッピングという手があるけど、「そこまではコストがかけられない。もっと手軽にリーズナブルに……」と考えた場合に候補に挙がるのがヘッドライトバルブの変更だろう。
特に、ちょいと昔のクルマに採用されたハロゲンから、HID(キセノン・ディスチャージ)やLEDヘッドライトに交換すると、一気に明るくなって夜間走行の安全性は高まるし、日が落ちてからの愛車を見るとものすごくグレードアップしたようなイメージさえ与えてくれる。
今回はそんなヘッドライトの「HIDか? LEDか?」について解説しよう。
HIDやLEDは旧式のハロゲンと比較した場合、明るいうえに消費電力も少ない。ハロゲンよりも高性能なHIDは多くのクルマに純正採用され支持されてきたが、発光の構造が簡単なLEDは多くのメーカーが市場参入しやすく、結果的にスペックはどんどん向上していった。
とまあ、今こそ「で、結局どっちなの?」と思えるようになった両者について、まずはその特徴から。
文/今坂純也(DIRT SKIP)、写真/トヨタ、写真AC
発熱量が高く、実は豪雪地帯の人に向くHID
HIDの構造
クルマのバッテリーから流れる12Vや24Vの直流電流を、安定器である「バラスト」で交流に変換。そこからさらに昇圧器である「イグナイター」で数万ボルトまで昇圧させた電力をガラス管の中でアーク放電させて「バーナー」を発光させる。
ハロゲンのように発光体「フィラメント」を持たないため、発光体の劣化によって点灯せず……ということがない。
HIDの特徴
■明るさ:ハロゲンはもとより、ほんの数年前までは「LEDを確実に上回る明るさ」と言われてきたが、現在では純正HID とハイスペックLEDとの比較ではほぼ同等レベルとも。
■消費電力:多くは35W、中には55Wモデルも存在する。
■寿命:約2000時間
*新品状態から光量が70%まで落ちた時点を「寿命」と言う
■最大点灯までの時間:数秒
■発熱量:発光部で300度程度と高めなためヘッドライトレンズも熱を持ち、雪が溶けることで降雪時に視界を確保できる利点がある。
取り付けのしやすさ:やや難しい
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