直線基調から流線型へデザインコンセプトを大変換した新型エクストレイル。
無骨なイメージが消えグローバルデザインのシティ派SUVとなり、デザイン的には先代と別のクルマだ
◆前澤義雄の評価65点
「個々のデザインは悪くないのに全体のプロポーションはパンチに欠ける」
◆清水草一の評価 60点
「グローバルデザインなんだろうけど国産SUVとしては印象が薄いよな」
清水 今回は、日産のエクストレイルです。
前澤 ……あれか。
清水 デザインを見たら、これはデカいデュアリスというか欧州名キャシュカイですね。アメリカではこれが2代目ローグ、つまりデュアリス拡大版の後継モデルでもある。とにかく、グローバルで大ヒットしてるデュアリスのセンに揃えたってことでしょう。
前澤 デュアリスがヒット?
清水 ですよ。知らないんですか? 欧州ではずーっと一番売れてる日本車じゃないですか。車名別で10位台だったかな。
前澤 ……あんなつまらないデザインのクルマが売れるようじゃ、欧州の目も大したことない。
清水 そうきますか!
前澤 実につまらんクルマだ。
清水 ……僕は前澤さんの無知ぶりに驚きです。その程度の海外事情も知らないなんて! いくら上福岡が田舎とはいえ、専門家として情報弱者すぎますよ!
前澤 欧州にもくだらないヤツが多いな。ま、どの地域にもクルマなんて動けばいいという層は多い。それだろう。
清水 そんな昔の日本車のイメージじゃないでしょうアレは! デュアリスの評価は向こうのメディアでも高いですよ! 別にデュアリスの肩を持つわけじゃないですけど!
前澤 くだらん。
清水 ガンから復帰して、ますます偏屈になったなぁ……。ともかくです、新型エクストレイルは大きいデュアリスなわけです。で、デザイン的にはそれに終始している。あの日本人が好きだった箱型のエクストレイルは死んで、グローバル戦略に則って大きいデュアリスになった。デザイン的には特に悪いところはないけれど、日本人としては非常に印象が薄いというか、特徴を失ったなあと思うわけです。
前澤 サラリーマンデザイナーが集まって、『もっと乗用車的な魅力を入れてみたら』だの、『SUVとしての力強さも残したい』などと言ったんだろう。そういう場面が目に浮かぶ。結果、足して2で割ったようなデザインになった。エクストレイルは、初代から武骨でヘビーデューティーな外観が特徴だったが、今度のは何コレ?だ。あってもなくてもいいクルマになった。
清水 グローバルではなくてはならないんでしょうけど、日本国内ではね……。
前澤 フェンダーの丸みなど、マツダ車みたいだ。
清水 なんでそんなにマツダデザインを嫌うんですか! 前澤さんは世界の趨勢にただひとり逆らうドン・キホーテですよ!
前澤 ……。(完全無視)
清水 エクストレイルでいいところを探すと、たとえばフロントグリル。V字型のメッキの間に日産マークが入っていて、力強さはありますね。
前澤 これは日産のトラックだな。パスファインダーとか。
清水 なるほど、ダットサントラックの雰囲気はちょっとあるかな。
前澤 これを見ると、アウトランダーのデザインはいい。SUVの力強さを保ちつつ、都会で光る。
清水 そう締めますか!
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