スズキ・ジムニーの快進撃が止まらない。
2018年12月の月販販売台数を見ると、ジムニーが1706台(前年同月比173.2%)、ジムニーシエラが934台(同1279.5%!)。2019年1月はジムニー2410台(同178%)、シエラが1345台(同1724.4%!!)、2月はジムニー2934台(同164.9%)、シエラ1492台(同1434.6%!!!!)。
ちなみに発表発売当初、新型ジムニーの月販目標台数は1250台(年間1万5000台)で、ジムニーシエラにいたっては100台(年間1200台)だった。
これを見てわかるのは、どうやらスズキは頑張って増産しているようだが、作ったはしからじゃんじゃん売れていて、生産がまったく間に合っていないということだ。
2018年に登場した新型車の中でも台風の目といっていい新型ジムニー。
なぜこれほど話題作となり、ヒット作となったのか?
現時点での納車待ち状況と販売店の声、市場動向や展望などを、流通ジャーナリストの遠藤徹氏に(現場に取材してもらいつつ)じっくり伺った。
文:遠藤徹
■発売当初よりもさらに納期が延びている…!?
現行ジムニー/ジムニーシエラは2018年7月5日に発表発売となった。先代型の登場は1998年であり、20年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
正式発表直後から受注が殺到し、空前のヒットモデルへ成長。昨年(2018年)秋時点の納期はジムニー1年、ジムニーシエラ1年半だった。
納車待ちは長期化し、スズキは今年に入って50%の増産を決定。その甲斐あってか、納期はジムニーは半年、ジムニーシエラは1年に短縮された。
ところが2019年3月下旬現在、あらためて各スズキ販売店に調査すると、納期はジムニーが1年半、ジムニーシエラは1年となっている。シエラは同じだが、ジムニーは逆に延びてしまっている。
これはどういうわけか。
首都圏にある某スズキアリーナ店に聞いてみると、
「相変わらず購入の申し込みは高水準だが、増産はしているものの間に合っていません。7月以降の生産の予定がたたず、コンピュータの処理ができないので、お客さんには(実際にはもう少し短期間でお届けできるだろうが、安全のため)おおよその納期を教えることしかできないためです」
とコメントする。
また現行型のジムニーシリーズが好評なのは日本だけでなく、ヨーロッパ、東南アジアなどを中心とした海外も同じ状況にある。
軽自動車のジムニーは日本だけ、海外は軽自動車の規格がないのでジムニーシエラのみで、グローバルではジムニーシエラのほうがずっと多いので、海外向けをより重点的に増産せざるをえない状況にある。
このため国内向けだけのジムニーの供給がより遅れがちになるといった事情もある。
スズキにとっては嬉しい悲鳴が止まらない状況だが、顧客から「早くよこせ」と突き上げを喰らっている全国の販売店では本物の悲鳴が響いている状況だ。
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