台風一過、晴れて気温が上がった鈴鹿サーキット。気温以上に熱かった決勝レースで59周目に大クラッシュ!レースは途中終了になり500クラスの優勝は3号車と発表されたが、しかし…。500クラスの10チームから抗議された結果、優勝はGR Supra19号車にひっくり返ったのだ。
文/篠崎元信、写真/奥隅圭之
500予選はQ1もQ2も1秒以内にひしめき合う激戦
6月3日(土)に行われた鈴鹿の予選。500クラスのQ1はトップの19号車1‘44.386から9位までが1秒内に。Q2でも抜きつ抜かれつした結果GR Supra36号車が1’44.585でP.P.獲得。2番手は19号車、3番手に100号車のNSX-GTが入った。
このQ2では1‘44.320のトップタイムを出していた24号車のZが、車検時に燃料タンクの容量オーバーで失格。タイム取り消しになったため36号車が繰り上がっていた。予選から波乱含みの始まりだった。
300クラスはA,Bの2グループでQ1を実施。各グループの上位8台がQ2に進んだ。Q2では61号車のSUBARU BRZの山内選手がクラス最多に並ぶ13回目のP.P.を獲得した。
決勝レースはピット戦略で明暗が分かれたが、最後にはまさかの結末が
6月4日(日)の決勝も天気は良く、気温が上がりタフな450kmレース(77周)になる予感が。距離が長いのでピットインは2回が義務付けられている。路面温度41度で始まった決勝はP.P.の36号車が順当に逃げる。順位が変わったのは1回目のピットインが始まってから。
36号車は29周目にピットインしたが、この時、先に済ませていた19号車、1号車に逆転され、さらに23号車にもオーバーテイクされてしまう。この後、1号車が2度目のピットインをしたときに23号車が2位浮上。46周目に19号車、23号車は2度目のピットイン。この間に36号車がトップに立つが、48周目に2度目のピットインを行い結局19号車の後ろにつく。
アクシデントが起こったのは59周目に入った時。4位を走る23号車が300クラスの2台を抜こうとして接触。23号車はタイヤバリアにクラッシュ。巻き添えを食った87号車もバリアに。幸いに両車のドライバーは大事に至らずに済んだが、マシンは大破した。コース設備の補修にも時間がかかるとの見通しでレースは中断のまま終了することに。
この結果、トップを走っていた3号車が暫定優勝と発表されたが、10チームから抗議が出て審議の結果19号車の優勝に。これは3号車が1回しかピットインしていないため。レースが成立するとしたら規定を満たしている必要があるため、1回少ないピットインに対して60秒のペナルティが課され、3号車は4位に下がった(これに対し3号車のチームNDDP RACINGは控訴したため、結論が出るまで500の結果は暫定となる)。
【6月12日追記】 鈴鹿サーキットは6月12日に、第3戦のGT500クラスの最終リザルトをリリースし、19号車の優勝と3号車の4位が確定した。これはNDDP RACINGが正式に書面で控訴することを行わないと決定したため。同チームの島田監督のコメント要旨は以下の通り。「今回、明文化されていないルールによってペナルティの裁定を受けたために抗議したが却下されたために控訴の意思表示をした。その後、関係者との再協議の結果、今後の規則の明確化を約束されたため正式な手続きを行わないことにしました」
【500クラス順位】
1位=No,19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/坂口晴)
2位=No,36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)
3位=No.1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)
【500クラスドライバーランキング】*第3戦終了まで
1位=No.36 坪井 翔/宮田莉朋 …36P
2位=No.3 千代勝正/高星明誠 …29P
3位=No.23 松田次生/ロニー・クインタレッ…25P
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