国内外問わず、セダンの販売は良いとは言えない状況だ。国産セダンでは大幅に車種を減らした。いっぽうの欧州車は、根強く健在だ。そこで今回は、一生に一度は乗ってほしい欧州セダン完全ガイドをお届け。600万円以下のお買い得で使いやすいクルマはどれだ?
文/渡辺陽一郎、写真/Audi、BMW、Mercedes Benz、NISSAN
■国内外問わずセダンは売れ行き不振だけど、魅力ある輸入セダンを紹介
最近はセダンの売れ行きが大幅に下がり、日本車は車種数を大幅に減らした。
スバルインプレッサはセダンのG4を廃止して、日産もセダンはスカイラインのターボのみだ。レクサスはセダンが比較的豊富だが、価格の求めやすいISは、発売から10年を経過している。
セダンの販売不振は世界的な傾向で、以前に比べると輸入車も減ったが、欧州車には根強く残っている。欧州はほかの地域に比べると、日常的に高速走行の機会が多いからだ。
セダンの全高は大半が1500mm以下だから、重心も低く、後席と荷室の間には骨格や隔壁が入るからボディ剛性も高めやすい。
低重心で剛性の高いボディは、走行安定性と乗り心地を向上させる上で有利だから、高速走行の機会が多い欧州のニーズに合っている。そのためにセダンも豊富にそろっているわけだ。
そこで欧州の輸入セダンを取り上げるが、価格が極端に高い車種は、当然ながら購入しにくく皆さんの共感も得にくいと思う。比較的選びやすい600万円以下のモデルを紹介する。
■コンパクトで小回りの利きも良いセダンを選ぶなら「アウディA3セダン」
●300~400万円の推奨車種:アウディA3セダン・30TFSIアドバンスト(387万円)
輸入セダンの中でも、特に注目されるのがアウディA3セダンだ。
ボディサイズは、全長が4495mmで全幅は1815mmだから、日本車を含めてもセダンではコンパクトな部類に入る。
全幅は1800mmを超えるが、全長はカローラセダンとピッタリ同じ数値だ。最小回転半径も5.1mに収まり、小回りの利きも優れている。
インパネなどの内装は、アウディらしく上質で、後席に広々感はないが大人4名の乗車を妨げない。セダンとしての実用性が備わり、満足度も高い。
30TFSIアドバンストは、直列3気筒1Lターボエンジンを搭載して、動力性能は2Lのノーマルエンジンと同等だ。
7速ATとの相乗効果で、エンジンパワーを充分に引き出した走りを楽しめる。30TFSIアドバンストの駆動方式は、前輪駆動の2WDだ。
装備も充実しており、衝突被害軽減ブレーキやサイド&カーテンエアバッグに加えて、2ゾーンオートマチックエアコン、17インチアルミホイールなどを標準装着する。
30TFSIアドバンストの価格は400万円を下まわる387万円だから、買い得度も強い。国産セダンと比べても、安価な部類に入る。
*おすすめのユーザー:街中で運転しやすい上質で価格の割安なセダンを求める人にピッタリだ。「本当はアウディA4に乗りたいが、最近はボディが大きくなって運転しにくい」と悩んでいるユーザーにも適する。
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