現行型プリウス(4代目)が2015年に登場したとき、優れた燃費性能や走行性能と同じくらいもしくはそれ以上に注目を集めたのがエクステリアデザインだ。
フロントマスクはトヨタのデザインアイコンであるキーンルックを継承しながら、滑らかな面質に機能性を融合させたデザインを採用。ヘッドランプには精悍な目つきの個性的なデザインを表現。三角形上の輪郭を活かしたクリアランスランプもこれまでになりシャープな印象を演出している。
そしてリアビューは空力性能を向上させるリアスポイラーからリアコンビネーションランプ、リアバンパーサイドのコーナーエッジへとユニークな線使いで表現。LEDを使用したリアコンボネーションランプで上から下に流れる動きを表現していた。
斬新で目新しいデザインというのは、多くの人に受け入れられないことがある。現行型プリウスの前期型の外観デザインはまさに賛否両論あったようで、2018年12月のマイナーチェンジで個性的だったエクステリアデザインを大幅に修正してきたのだ。
今回は派手顔といわれた現行前期型プリウスの中古車事情に迫ってみよう。
文:萩原文博
■流通台数を調べると前期型が狙い目だとわかる
2015年12月に登場した現行型プリウスは、2018年12月にマイナーチェンジを行うまでのあいだ2017年11月に一部改良を行っている。したがって現行型プリウスの前期型は2015年12月~2017年10月までの1型と2017年11月~2018年11月までの2型に区分することができるので、それぞれの流通台数と平均価格の推移を見てみよう。
現行型プリウス前期モデルの2015年12月~2017年10月までの1型の中古車の流通台数は約2900台で現行型プリウスの中古車の実に84.7%を占めている。マイナーチェンジ直後は2000台程度だったので、実に3カ月で約1.5倍まで増えている計算になる。
平均価格の推移は3カ月前の時点では212万円だったが今月(2019年4月)は202万円まで10万円の値落ちとなっている。
いっぽう2017年11月~2018年11月までの2型は3カ月前の流通台数が約440台で、今月が450台と横這い。
そして平均価格は3カ月前が229万円で今月が226万円とわずかな値落ちに留まっている。この結果、現行型プリウスの中古車は前期型でも2015年12月~2017年10月までの1型に注目すべきことがわかった。
■上級グレードの4WDモデルが割安
さらに、前期型1型のプリウスの中古車のグレード構成を調べてみると、最多グレードは約950台流通している1.8Sで平均価格は3カ月前の193万円から今月は183万円へと約10万円の値落ちを記録。
続いて多いのが約550台の1.8Sツーリングセレクションで218万円から208万円とこちらも約10万円の値落ち。
そして371台の1.8Aとなり、平均価格は211万円から204万円と約7万円の値落ちとなっている。
流通台数が多いトップ3のグレードは前期型1型全体とほぼ同じ値落ち幅に留まっていた。しかし、流通台数の少ないグレードまで調べてみると驚異的な値落ちを記録しているグレードを発見した。
FFでは1.8Aプレミアムが3カ月前の236万円から220万円と16万円の値落ち。4WDの1.8AツーリングセレクションE-Fourが243万円から228万円で15万円の値落ち。流通台数は13台しかないが、1.8Aプレミアム E-Fourは261万円から231万円と約30万円も値落ちしている。
こうして見ると、プリウスの中古車は装備の充実した上級グレード、FFより4WDのほうが値落ち額は大きくなっている。しかも、17インチホイールを装着したツーリングセレクションよりも15インチホイール装着グレードのほうが値落ち幅が大きくなっている。
コメント
コメントの使い方