新型アルファード/ヴェルファイアの試乗会にBCweb編集部員5人が参加し、一気乗り! はたして各編集部員はどのグレードが一番よかったのか?
文/ベストカーWeb編集部、写真/池ノ平昌信、ベストカーWeb編集部
■中小企業の社長の気持ちになって評価した塩川編集長
2列目シートは大型ミニバンの真骨頂というべきか見せ場だ。アル/ヴェルはどうしてもエグゼクティラウンジにばかり目がいくけれど、実際のところはヴェルファイアZプレミアのキャプテンシートもかなりのもの。
内装の誂えも非常に質感が高く高評価なのだが、シートピッチは大柄な人だと少し窮屈さを感じるかもしれない。とはいえ試乗車はサンセットブラウンの内装と相まって車内の空気感は非常によかったことはお伝えしておこう。
ただし、ゆっくりリラックスしてあくまでも移動を快適にというのであれば迷う暇もなくプレミアムラウンジを選択すべし(ちょっと高いけど)。シートピッチも広くなり、プレミアムエコノミーとビジネスクラスくらいの体感差がある。
個人的にはドッシリした足回りのヴェルファイアエグゼクティラウンジがベストかな。アルファードエグゼクティラウンジはちょっとやりすぎ、ってくらいショーファー感が強く感じるかも。
■ミニバン嫌いスポーツカー好きの小野はヴェルファイアZプレミアハイブリッド
今回、運転手役を務めた、スポーツカー好きの中年オヤジOです。もちろん、ミニバンは大嫌いですが、今回ヴェルファイアに乗って欲しくなりましたね、マジで。
ヴェルファイアは存続の危機があったそうだが、アルファードとの違いを明確にするため、ヴェルファイアに思い切ったキャラクターを付けてきた。ちょっと大げさかもしれないが「ミニバンのスポーツカー」に仕立ててきたのだ。
とにかくこのヴェルファイアZプレミア2.4ターボを一度運転してみてほしい。それが感じ取れるのではと思う。
その元になっているのがボディ&シャシー。フロントのラジエターサポートとサイドメンバーをつなぐ専用のパフォーマンスブレースを設定したこと。さらに車体後方部床下のVブレースを取り付けたことによって剛性を約50%アップ。これってミニバンのやることか? と感心してしまった。
ヴェルファイアはアルファードと全然違うクルマといっても過言じゃない。アルファードハイブリッドは、乗り心地がよくコーナーでは少し遅れてロールする、いわば背の高いミニバンの想像通りの走り。
いっぽう、ヴェルファイアZプレミア2.4Lターボは走り出しから違う。ステアリングの応答性がシャープで剛性感が高いのが身体に伝わってくるのだ。
高速道路に乗ったらさらにビックリ。「こ、これはマジか」とつぶやいてしまったほどだ。路面から伝わってくる感触がダイレクトで、スポーツカー好きの運転手にとっては思わずニンマリしてしまう足の硬さなのだ。
コーナーの進入から出口にかけてアクセルをちょっと踏んで、ロールが出ないか試してみたがケツは流れなかった。「ほぉー、これドイツ車のセダンか」と感じたほど。
2.4L、直4インタークーラーターボエンジンは279ps/43.8kgmのスペックだが、6人乗車というのもあるだろうが、加速フィールはそれほど気持ちよくなかった。
試乗後に開発責任者の吉岡憲一さんに、「足が硬すぎじゃありませんか?」ぶつけてみると「狙い通りですとニンマリ」。たしかにここまでスポーティなミニバンは過去、記憶にないので、こういうミニバンが欲しかった人にはいいかもしれない。
ただし、この後、2列目シートに乗ったら「硬てぇ!」。これは奥さん、子供からブーブー文句が来るんじゃないだろうか。
最高な気分になれるのはどうやら運転手(お父さん)だけじゃないだろうか。ハンドリングはいいし、ロールもあまりしないし、走って楽しいから、コレに決めた! と早まっちゃいけない(と思う)。ちゃんと家族や社長さんにセカンドシートやサードシートに乗ってもらってから決めてほしい。
ということで、ヴェルファイアZプレミアターボは捨てがたいが、操舵感が気持ちよく、ほどよい足の硬さで、運転席&助手席、&セカンドシートの乗り心地も、「ベンツSクラス並み」といっても言い過ぎじゃない、運上の上質さを感じたヴェルファイアのハイブリッドがイチ押し。
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