「Camp Jeep 2023」が8月5、6日、静岡県のふもとっぱらキャンプ場で開催された。国内の公式ジープイベントとしては実に4年ぶりの開催で、アウトドア系の3メディアがプロデュースするキャンプイベント「Feel Earth」とのコラボレーションというかたちで開かれた。会場には200台以上のジープと1000人以上のオーナーファミリーが集結し、充実した2日間を過ごした。
このイベントに参加し、ジープとはどんなクルマなのか、その魅力に迫ってみた。
文/塩見智、写真/ステランティスジャパン、ベストカーWeb編集部
■4年ぶりに開催された公式ジープイベントに行ってきた
両日とも晴れと曇りと雨が入り交じる複雑な天気模様。当地自慢の富士山は雲に隠れて見えなかったものの、全国各地が猛暑や台風に見舞われたなか、過ごしやすい週末となった。
8月5日土曜日、朝10時に受付が始まると同時に多数のジープ各モデルが続々と訪れた。圧倒的に多いのはラングラーアンリミテッドだが、グラディエーター、グランドチェロキー、レネゲード、コンパス、コマンダーも見られた。
それぞれが広大なフリーサイト内にお気に入りの場所を見つけてテントを設営、週末を過ごす準備を進めた。「Tips of Jeep」(ジープクイズ大会)、マグロ解体ショー、音楽ライブ、キャンプファイアー&マイムマイムマイムなど、ジープとFeel EARTHそれぞれがさまざまなイベントを催し、参加者は夜まで思い思いに過ごした。
■グラディエーターとラングラーアンリミテッドルビコン4xeによる悪路走行
会場には特設のオフロードコースが設営されており、希望者はインストラクターが運転するラングラーアンリミテッドルビコン4xeとグラディエータールビコンに同乗走行することができた。
さらに我々はわがままを言って特別に運転を許された。最初にグラディエーターを試乗。大自然の中なので全長5300mm、全幅1930mmのサイズはまったく気にならないのだが、ホイールベースが3490mmもあるため、過酷な凹凸を通過する際に腹を擦って亀の子状態になってしまうのではないかと心配した。
だが走らせてみるとタイヤのストローク量が豊富で、四輪がしっかりと路面をとらえるのでトラクションが抜けることもなくあっさり通過した。車体底部が少々路面に当たっても、必要な部分に保護パーツが装着されているので問題なし。ピックアップトラックであってもジープはジープ、ルビコングレードの悪路走破性は伊達ではなかった。
続いてラングラーアンリミテッドルビコン4xeに乗り換えた。2L、直4ガソリンターボエンジンにモーター、バッテリーが組み合わせたラングラー初のPHEVモデルだ。
「電動オフローダーの悪路走破性はどうなの?」と探るように試乗を開始した。世に出ている多くのPHEV同様、4xeもEV走行を基本とし、電池残量が減ってきたり、高い負荷を求められたりするとエンジン加勢してハイブリッド走行となる。
エンジン、モーター、トランスミッション(および前輪へ駆動力を配分するトランスファー)が直列に配置されており、EV走行時もハイブリッド走行時も4WDで走行可能。
グラディエーター同様、モーグル区間を難なく通過し、急な登坂路へ差し掛かった際、電動ジープの実力に思わず「おおーっ!」と感嘆の声をあげてしまった。雨で湿り、さらにゴロゴロとした岩が混じった登坂路を歩くよりもゆっくりとした速度で走行することができるのだ。
平坦な部分から勢いを付けて通過するのは簡単だが、先がどうなっているかわからない場所でそんな風に走るのは危険。だからオフローダーはゆっくりと走ることができるほど偉いのだが、その点ラングラーアンリミテッド4xeはローギアと低回転から大トルクを発揮するモーターの特性によって、厳しい条件の区間をゆっくりと走ることができる。
はっきり言ってエンジンだけのジープよりも悪路走破性は高い! EV時代もジープの走破性は安泰であることが確認できた。もっとも、走破性の高さはこの日の車両に装着されていたBFグッドリッチのマッドテレーンT/A KM3の性能による部分も大きい。
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