「B」はバックじゃないぞ!! AT車シフトの現在地をおさらい!!

「B」はバックじゃないぞ!! AT車シフトの現在地をおさらい!!

 ATやCVTのシフトゲートを眺めると、「B」や「S」といった見慣れない表示が並ぶ。かつて主流だったLやODは姿を消し、代わりに新たなポジションが増えている。だが、その意味をきちんと説明できる人はどれだけいるだろうか?

文:ベストカーWeb編集部/画像:スバル、ベストカー編集部ほか

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消えたLとOD、その代わりに現れたもの

おそらくある一定の年齢以上の人にとってATのイメージはこのようなスタイルのはず。画像はジムニーの4速AT
おそらくある一定の年齢以上の人にとってATのイメージはこのようなスタイルのはず。画像はジムニーの4速AT

 まずは、AT/CVTのシフトレバー(セレクターレバー)の基本から確認しておこう。ATの基本ポジションはP/R/N/D。そこに低速走行用としてL(Low)を加える構成が一般的で、以前はOD(オーバードライブ)を解除するボタンを備える車種も多かった。

 しかし現在では、CVTやハイブリッドの普及に伴い、BやS、Mといったポジションを採用するモデルが増えている。

 とくにBポジションはBrakeを意味するが、これはCVTが固定的な変速ギアを持たないからこそのポジションだ。CVTは変速比を自在に変えられる構造であるため、擬似的なエンジンブレーキを生み出す目的でBを設定する例が多い。

 トヨタのCVT搭載車の多くがこの方式を採用し、変速ギアを1/2速に限定するLやD2を備えるモデルは減少している。

メーカーや車種で違う?! Bの役割

 

日産キックスe-POWERのBポジション
日産キックスe-POWERのBポジション

 プリウスのジョイスティック型セレクターにもBが設定されているが、実はこれバックではなくブレーキの意味。操作マニュアルには、急な下り坂など強いエンジンブレーキが必要なときに使用するとある。

 BはDの近くに配置されることが多く、日常走行で常用するポジションではないが、状況に応じて選択する位置づけである。

 一方、日産のe-POWERやEVでは、トランスミッションを介さずモーターで駆動するため、回生ブレーキによる減速効果を高める目的でBポジションを設定している。同じBでも、駆動方式によって役割の背景は異なる。

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SやMはどう使い分けるのか

ライズのCVTはDポジションでSポジション(坂道走行)とシフトノブをプラス/マイナスでアップ/ダウンさせるM(マニュアルモード)も選ぶことができる
ライズのCVTはDポジションでSポジション(坂道走行)とシフトノブをプラス/マイナスでアップ/ダウンさせるM(マニュアルモード)も選ぶことができる

 また、BのそばにM(マニュアル)やS(スポーツ)を備える車種も多い。MやSでは、ステアリングコラムに設けたパドル状スイッチで変速操作を行えるモデルもある。

 Sポジションはスポーツグレードや軽自動車を中心に設定が残り、普通車ではスイッチ操作でSモードやECOモードを選択できる例が増えている。

 たとえばライズのCVTでは、DポジションにいながらSポジションを選択でき、さらにシフトノブのプラス/マイナス操作でMモードを選ぶことも可能である。同じCVTでも、ポジションの呼称や配置は車種によって異なる。

レバーの形もここまで変わった

2025年9月に登場したeビターラのセレクター
2025年9月に登場したeビターラのセレクター

 シフト操作の方式も多様化している。直線式レバーのほか、ゲート(スタッガード)型、電子式セレクター、ボタン型などが存在する。プリウスのようにレバー位置が変化せず、前後左右に操作する電子式セレクターも見られる。

 ホンダの中型モデルやEVでは、各ポジションをボタンで選択する方式を採用している。シフト機構はメーカーや車種によって異なるが、最終的に求められるのはドライバーが認識しやすく、操作しやすいことである。

 表示が変わっただけに見えるBやSであるが、その背景にはCVTやハイブリッド、EVの広がりという構造的変化がある。小さなアルファベットの違いは、パワートレーンの進化を映し出している。

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