フリードのデビューは約7年前の2016年9月。それを考えると今年に入ってからの3万8605台という売れゆきはまさに驚異的人気。なぜ2代目フリードはそんなにも愛されるのか!? その人気の理由と意外(?)な弱点を、2020年式を愛車とする筆者がお伝えします。あ、愛車って言いましたが、正確には妻の愛車です。でも私もたまに乗りますから、そこはご容赦を。
文:ベストカー本誌編集長・飯嶋 穣/写真:ホンダ
■長所はそりゃなんといっても全幅のみならず、全長も短くて扱いやすいコンパクトな車体でしょ
フリードのボディサイズは全長4265×全幅1695×全高1710mm(FF)。最近はSUVブームということもあり、コンパクトなんていいながら余裕で1700mm超えの全幅を持つモデルも多いが、フリードは全幅1695mm。渡辺陽一郎先生も絶賛必至の5ナンバーサイズだ。しかもフリードは約4.3mと全長も短い。これが狭い道での運転のしやすさに効く。
筆者は一時、千葉県市川市の行徳に住んでいたが、そのエリアではフリード、そしてライバルのシエンタがかなりの人気となっていた。その理由はやはり若いファミリーが多く住んでいるからだと考えている。
子どものみを乗せるなら2列シーターでも充分だが、時には実家から出てきた両親を乗せねばならぬというシチュエーションもあるだろう。となれば3列シートは必須だ。そして若いファミリーならば子どもの突然の発熱などで、運転があまり得意でない奥さんでも、病院までクルマをカッ飛ばす(?)なんてこともあるだろう。
そんな時に大事なのが自信を持って運転できるボディサイズだ。それらの要素を高次元で満たすのが、フリードでありシエンタというワケだ。
■シエンタではなくフリードを選んだワケ。ソレはやっぱりエンジンパワー
「じゃあ、なぜお前はシエンタを選ばなかったんだ?」という疑問の声が上がるだろう。もっともだ。たしかにシエンタも候補に挙がっていた。が、ここで立ちはだかったのが経済的問題だ。簡単に言うと貯えの少ない我が家では車両価格が数十万円高いハイブリッド車は選べず、ガソリンエンジン車から選ぶしかなかったのだ。
そして購入当時のフリードのライバル、先代シエンタは、ガソリンエンジンがチョイと非力だった。取材で借りたシエンタを、合流車線斜め後ろ方向の見通しが悪く、かつフル加速での合流を強いられる首都高速上の某PAに止めた際、その再合流はけっこうヒヤヒヤさせられた。
つまり、お金はあまりないけどソコソコの動力性能を持つコンパクトミニバンが欲しい場合、フリードのほうが少々魅力的だったのだ。
で、所有し、愛車として乗り回しての感想だが、ぶっちゃけ速い。1.5Lの排気量から129ps/15.6kgmの出力を発生するエンジンは、1980年代だったらスポーツモデルに搭載されててもおかしくない。
事実、信号ダッシュで強めに踏みこめば「ここまでの加速はいらなかったな」という速度域に、たやすく達してしまう。ちなみに現行シエンタ、ガソリンエンジンの出力は120ps/14.8kgm。現行フリード、まだまだ戦える。
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