スバルと言えばインプレッサWRXやレガシィなど背の低い&速い、そしてド迫力サウンドというイメージの人がほとんどのハズ。でも現行ラインアップは8車種中半数がSUVに……時代とはいえ、あの頃のスバルは帰ってくることはないのか!?
文:永田恵一/写真:ベストカーWeb編集部
■レガシィなき今ほぼSUVじゃん……スポーツモデルたった3車に
近年のスバルには「クロスオーバーを含めたSUVとアイサイト」というイメージを持つ人が多いだろう。
しかし10年ほど前まではWRX STIを筆頭にレガシィやフォレスターといった主力モデルにもハイパワーターボが設定され、BRZも含めスポーツモデルが「速さ、運転する楽しさ」というブランドイメージも牽引していた。
だが、現在スバルのスポーツモデルはWRX S4とレヴォーグのSTIスポーツR、さらにBRZの3台のみとずいぶん様変わりした。
路線変更でスバル車は間口が広がり、販売が増えたのは喜ばしいことだが、スポーツモデルが強い存在感を持っていた時代を知る層には寂しさもあるかもしれない。
ここでは今後スバルのスポーツモデルがどうなるかを展望してみた。
■新型BRZは期待大!! 一方のスバル独自のスポーツモデルは出ない可能性大……
結論としては希望的観測を含め「現状維持+αなら御の字」といったところで、今後スバルのスポーツモデルが増えることは期待できないだろう。
現在年間80~90万台というスバルの世界販売において、約70%を占める最大の市場がアメリカ(WRXの販売も多い)。そして2番目の市場となる日本のそれぞれの現状から考えてみよう。
どちらもスバルがスポーツモデルを増やせない大きな理由となっているのがCAFÉ(コーポレート アベレージ フューエル エフィシエンシー=企業別平均燃費基準)だ。
CAFÉは企業平均なので、EVを含めた燃費のいいクルマをたくさん売って基準に対し余裕が出れば、平均燃費を下げる大型SUVやスポーツモデルも売っていいという公平性もある法規である。
現在、スバルで欧州も含めCAFÉをクリアするモデルはEVのソルテラだけである。
しかし、ソルテラも登場直後のリコールで出鼻をくじかれたのに加えクルマ自体の魅力の薄さもあり販売は低空飛行とCAFÉの向上にはあまり貢献していない。
そういった状況だけにスバルが8月2日に発表した最新の経営方針では2025年から26年にトヨタのシステムを使ったハイブリッドの投入。
同時期から自社製EVの生産を開始し、2030年にはその時点でのスバルの世界販売目標である年間120万台のうち50%となる60万台をEVにすると表明。
社会情勢や開発資源を含めた社内事情を総合すると、トヨタも関係するであろう次期BRZはともかく、WRXのようなスバルだけで造る新規のスポーツモデルが今後登場する可能性は極めて低いと言わざるを得ない。
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