カングーに3列シート7人乗りの「グランドカングー」が追加された。はたしてどんなクルマか。詳細をお知らせしよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ルノー
■スライドドアの長さまで変更した3列7人乗り
ミュンヘンで開かれたドイツ国際自動車ショーで、ルノーは3列シートを備えた7人乗りの「グランドカングー(グランカングー)」を初公開した。
グランドカングーは先代モデルにも存在したロングボディ仕様だが、今回は拡大されたボディの恩恵で3列目シートの居住性を改善、同時にBEVモデルもラインナップしたことがトピックだ。
ルノーはグランドカングーの正確なサイズを公表していないが、同型ボディを使う商用L2バンから推定すると、全長は4.9m程度、ホイールベースは3.1m程度になると思われる。ライバルのシトロエン ベルランゴ ロングの全長が4770mmだから、100mm以上長い数値だ。
その恩恵はもちろん室内の広さに充てられた。中でも3列目シートの膝回りが拡大した点は大きく、大人7人が快適に座れる。
3列目シートは外すことも可能で、外してできるラゲッジスペースは500L、さらに2列目シートも外して助手席を倒すと、3750Lの空間が生まれる。長尺モノは3.11mまで詰めるそうだ。
その3列目シートへの乗降だが、後席スライドドアの長さが180mm延長されており、スムーズなアクセスが可能となっている。MPVのロングボディ化では、スライドドアまではノーマルボディと共通というパターンが多いが、カングーはこの点が一歩秀でている。
■来年には日本にも導入か?
グランドカングーには、ノーマルのカングー同様1.3Lガソリンと1.5Lディーゼルがラインナップされる予定だが、前述した通り「E-techエレクトリック」というBEVモデルも存在する。
こちらは45kWhのリチウムイオン電池を積み、90kW/245Nmのモーターを駆動するというスペックだが、WLTPによる航続距離は265kmとされており、日々決まったルートを走り回るような商用バン的用途に適したキャパシティといえる。万一の際はもちろん急速充電も可能。80kWの急速充電器なら、10分の充電で80km分の電気がチャージできるそうだ。
回生ブレーキは3つのモードを備えており、コースティング(惰性走行)を許すB1からワンペダルドライブが可能なB3まで、走るステージによって選択ができるという。電費に多大な影響を与えるエアコンについては、エネルギー消費の少ないヒートポンプ式を採用し、夏冬の航続距離向上に貢献している。
最後に日本導入について。2代目のグランドカングーは日本へは輸入されなかったが、現在は事情が異なる。ライバルのプジョー/シトロエン/フィアットがそれぞれベルランゴ/リフター/ドブロにロングボディを用意し、ファミリーユーザーに好評だからだ。
現在のところ導入時期は未定だが、来年にでもガソリン/ディーゼルモデルが日本に導入されるのではないかと予想する。価格は、ライバルのベルランゴがノーマルとロングの価格差をおよそ20万円に設定しているから、グランドカングーも420万~450万円程度になるのではなかろうか。日本発売を楽しみに待ちたい。
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