ハイエースといえば仕事のよきパートナー、そしてその積載性を生かしたホビーベースとしての人気が留まることをしらない。
しかし元々商用車ということもあり、エンジン構成、ボディの長短、定員など多くのバリエーションがあるのも特徴。
そうなると難航するのが中古車選び。いったいどんなグレードが安く、そして買い時なのか。今回は現行ハイエースに絞って、その中古車市場の現状とねらい目を聞きました。
文:萩原文博/写真:トヨタ
■モデルライフ15年!! 今狙うのはどの年式か?
2019年2月にフィリピンなどで発売されるハイエースがスクープされ、次期モデルか!と世間をざわつかせたトヨタハイエース。
結局これは海外専売モデルということでウワサは鎮火した。現行型のハイエースは2004年8月に登場し、商用モデルのバンと乗用モデルのワゴン(グランドキャビン、コミューター含む)を設定。
ビジネスユースだけでなく、カスタマイズカーのベース車としても高い人気で、盗難されるクルマの常に上位にランクインされている。
そこで、販売開始から15年が経過しても安定した高い人気を誇るハイエースの中古車事情を見てみよう。
まずは変遷を確認する。2004年8月に登場したハイエースは、2007年8月に初のマイナーチェンジを行い、全車のフロントグリル変更と規制に適合した3Lディーゼルターボエンジンを搭載した。
2010年7月に2度目のマイナーチェンジを行い、ディーゼルエンジンを大幅改良。
同時にガソリン車もエンジンやミッションの制御を変更し環境性能を向上させた。また、全車フロントマスクを変更、そして装備の充実を行っている。
2012年4月の一部改良で盗難防止システムを全車標準装備し、2013年11月に3度目のマイナーチェンジを行い、ヘッドランプを含むフロント周りのデザインを変更、一部グレードではリアのコンビネーションランプも変更されている。
一部グレードにはサスペンションのチューニング変更をはじめ、デュアルパワースライドドア、スマートエントリー&スタートシステムをオプション設定している。
2014年12月の一部改良ではガソリンエンジンにデュアルVVT-iを採用し、燃費性能を向上。またATはこれまでの4速から6速へと多段化されている。
そして2016年6月の一部改良ではワゴンとコミューターに横滑り防止装置などの安全装備を標準装備した。
2017年11月の一部改良では衝突被害軽減パッケージのトヨタセーフティセンスP(レーダークルーズコントロールは非搭載)を標準装備。
またディーゼル車のミッションがガソリン車と同じ6速へと多段化された。
販売開始から約15年という長いモデルライフの中で走行性能をはじめ、安全性能そして快適性などが進化しているのがわかる。
それでは現行型ハイエースの中古車事情を見てみよう。ハイエースはバンとワゴンで大きく相場が異なるので、バン、ワゴンそれぞれの中古車事情を見ていく。
まずはハイエースバンから。現行型のハイエースバンの中古車の流通台数は約2900台。直近3カ月の平均価格の推移は約230万円で横這いとなっている。
続いては流通している中古車の年式を見てみると、どの年式も100台以上と安定しているものの最も多いのが2019年式で約590台、続いて多いのが2013年式の約230台。そして2014年の約290台が続く。
一般的に流通台数の分布はフルモデルチェンジ後の数年が最も多く、マイナーチェンジで1度増えるものの、また右肩下がりとなるが、人気のハイエースバンはまったくそういった法則に当てはまらない。
流通台数の多い2013年~2014年式はちょうど3度目のマイナーチェンジが行われた年。
しかも盗難防止システムのイモビライザーも装備されているので、ハイエースバンの中古車を狙うならこの年式と言える。しかもこの3カ月で平均価格が15万円も値落ちしているからだ。
2013年~2014年式のハイエースバンの中古車のグレードを見てみると3.0DT DXロングボディ4WDが89台で最も多く、続いて最上級グレードの3.0DT スーパーGLロングボディの2WD車の56台。
そして同じく3.0DT スーパーGLロングボディの4WD車の45台となっている。
最も多い3.0DT DXは走行距離が多い物件が中心なので、価格的な魅力は高いが、ここは最上級グレードのスーパーGLをオススメしたい。
価格帯は155万~379万円と非常に幅広くなっているが、200万円付近から走行距離も10万km以下の物件も見つけることが可能だ。
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