入手困難なランクル70に、爆売れ中のデリカミニ。共通するのが「丸目」である。可愛らしくもあり、どこか古めかしさもある丸目のクルマが絶好調。切れ長のヘッドライトがブームかと思いきや、時代は丸目に夢中なの? ならば丸目の名車を振り返っていこうじゃないか。2024年カーデザインのトレンドが、ここにあるかも。
文:佐々木 亘╱写真:ベストカー編集部
■丸目のトレンドは「カッコかわいい」になってきた?
ハンマーヘッドとキーンルック、どちらも薄型で特徴的なヘッドライトをもつトヨタの最近のデザインだ。
日産もマツダもホンダも、横長で切れ上がったヘッドライトを持つクルマが多い。各社が目指しているのは、未来志向の「カッコよさ」だろう。
こうした中で、丸目に注力するメーカーがある。スズキだ。
4輪車ラインナップでは、ジムニー・ハスラー・ラパン・ワゴンRスマイル・クロスビーが丸目という充実ぶり。
アルト・スペーシアも丸系統のヘッドライトであり、多くは可愛らしさをアピールしたいクルマたちだ。
ヘッドライトデザインで、クルマの印象が決まっていたのだが、これをぶち壊してきたのがデリカミニやランクル70である。
ともにかわいいはずの丸目なのだが、とにかくカッコイイのだ。
丸目とデザインの印象がミスマッチを起こしてクセになる。そしてだんだん心地よくなってくるのだ。
丸目でヒットするクルマに共通するのは「カッコかわいい」ことなのか。
こういうデザインは平成の前半に結構流行ったはずだ。当時を少し思い出してみたい。
■1990年代後半がクラシック丸目の絶頂期
1997年から99年は、当時としては異質な丸目クラシックモデルが数多く登場した。
ミニカトッポにタウンビーが設定され、インプレッサの特別仕様車「カサブランカ」が登場する。さらにダイハツはミラジーノを投入してきた。
他にも丸目のクラシカルなデザインのクルマが多数飛び出し、話題になった時期である。
当時は「ブサかわ(不細工だけどかわいい)」的な言われ方をしていた各車。しかし、メーカー側のデザイン意図としては、古き良き昭和レトロに精悍さを見出し、カッコよさも狙っていたのだと思う。
三菱がタウンビーⅡを発表した当時のプレスリリースには、「上品でスタイリッシュ」と記載がある。
よくよく見れば、メッキパーツや大型グリルなど、愛らしさの中に精悍さがあり、たしかにカッコイイのだ。
昨今登場したランクル70は、クラシカルなデザインをカッコいいと思うところまで磨き上げた。
当時はブサかわと言われてきたスタイリングが、令和の今、大ヒットにつながる可能性は十分にある。
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