貿易商社のタカ・トレーディングが、最新のシステムを搭載した活魚車を導入し、運用を開始した。同社の運用ノウハウと架装メーカーの最新技術を融合させた最新活魚車の実力とは? 稼働中の実車をレポートした!!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2023年12月発行トラックマガジン「フルロード」第51号より
ベース車両はボルボの大型トラック「FH」
タカ・トレーディングは山口県下関市に本社を置く貿易商社だ。主力業務は北海道産のホタテやホヤを韓国に輸出/販売する業務で、韓国産のアワビを日本に輸入/販売する業務も手がけている。
輸送は自社保有の活魚車で行なっており、単車からトレーラまで、さまざまなタイプの活魚車を保有している。また、年に数回ほど、水族館のエイやサメなどの大型魚を運搬する特殊な業務も行なうという。
ちなみに活魚車とは、魚介類を活きたまま運ぶことができるクルマのこと。荷台部分にFRP製水槽や酸素供給装置など、特殊な装置を多数搭載するのが特徴だ。
今回紹介する活魚車は、タカ・トレーディングが導入した最新車両。ベース車両はボルボFHの3軸中低床6×4駆動総輪エアサスシャシー(車両総重量25トン級)。
搭載するエンジンは直列6気筒12.8リットルのD13型で、最高出力540PS、最大トルク2600Nmを発揮。トランスミッションは前進12段、後進4段のデュアルクラッチ式AMTを組み合わせる。
キョーワの最新活魚車システムを搭載
荷台部分は、FRP製水槽のパイオニアで、活魚車のトップメーカーとしても知られる佐賀県伊万里市の架装メーカー「キョーワ」が製作した。
シャシーフレームとボディを繋ぐサブフレームはアルミ製。その上のFRP水槽は全長9メートルで、メインタンク4個とサブタンク1個で構成。
輸送品質のキモとなる活魚車システムは最新式で、冷凍機、酸素供給装置、およびそれらを動かすための発電機を荷台前方部に搭載。水温管理はキョーワ最新のタッチパネル式で、運転席の操作パネルから各種操作が可能となっている。
今回タカ・トレーディングが一番こだわったのが、これら各種装置の搭載レイアウト。詳細は企業秘密のため非公開だが、積載量を稼ぐため水槽を低く設計するなど、これまでの運用で培ったノウハウをすべて注ぎ込んで開発したという。
このほか、水槽内の掃除がしやすい構造や、天井全体の滑り止め加工、ド派手なキャブカスタムなど、細かいところにもタカ・トレーディングのこだわりが満載だ。
【画像ギャラリー】水槽の中身もチラ見せ!! タカ・トレーディングが導入した活魚車のディティールをチェック!!(9枚)画像ギャラリー