先日道を歩いていて、「ゾーン30」という道路標識と道路標示とが目に入ってきた。
いつの間にか当たり前のように風景に溶け込んでいるこの標識。だが30年以上前に運転免許を取得した企画担当、よくよく思い出してみると自動車学校でこの標識を習った覚えがない。
そう考えるとどんどんなじみ(と自分の記憶力に対する自信)がなくなってくるのだが、ひょっとして最近新たに加わった標識なのだろうか? 調べてみた。
※本稿は2019年6月のものです
文:ベストカー編集部/写真:AdobeStock、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年7月10日号
■生活道路での交通事故防止のために設けられた「ゾーン30」。その意味は?
“ゾーン30”の文字とともに、愛犬を散歩する人、2人の小学生、杖をついた人が歩く道路。その道路に近づくクルマ……というのを表わしているこの標識(白地に青色の標識)。
また、道路に“ゾーン30”と標示されているケースもある。
警察庁・広報部へ聞いた話をまとめてみると、次のようなお話だった。
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住宅地や小学生などの通学路では、急な飛び出しや横断歩道があるところ以外での横断が多いので、クルマを運転するドライバーは特に慎重に運転する必要があります。
こういう生活道路での交通事故防止のために設けられているのが「ゾーン30」です。
ゾーン30は学校や高齢者が多く利用する施設の周辺、歩行者が数多くいる観光地などで設けられることが多いそうです。
その区域(ゾーン)内にあるすべての道路の最高速度が30km/h以下に規制されます。
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つまり、急な飛び出しの可能性が高い道なので30km/h以下の低速で走行し、“悲しい事故をゼロにしましょう”という思いが込められた標識ということ。
しかし、それでも速度制限を守らないドライバーがいるため、必要に応じて、路側帯やハンプ(路面の一部隆起)を設置したり、大型車の通行禁止などの対策も講じているとのこと。
最後に「ゾーン30っていつからあるのか?」。実は平成23年に始まっており、平成30年度までに全国で3600カ所以上整備が広がっているとのこと。
この整備により交通事故発生件数が2割以上減少したという効果も出ているそうだ。
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