クルマに対してある程度知識がある人や、自分で簡単でもいいので整備をする人ならばクルマに関する「数値」はある程度イメージが付くはずだ。これくらいの数値だと大きいなとか、これくらいの数値だと逆に足りないなといった、長年知っていけばある種目分量のような感覚が身に付くはずだ。そんな目分量の感覚は多くの人が普通車で身に付けるものだと思うが、そんな人からすればトラックの数値は驚くものばかりだ。今回はトラックにまつわる数字のあれこれを紹介する。
文:西川昇吾╱写真:ベストカー編集部、いすゞ、三菱ふそう
■重たい荷物を運ぶために排気量とトルクは大きい!
まずはエンジン排気量だ。普通車では5ナンバー枠である2.0Lを超えると排気量が大きい方とも言われがちだが、いすゞのラインアップを例に見てみよう。小型トラックとなるエルフは3.0L、中型トラックのフォワードは5.0L、大型トラックのギガは10.0Lとなっている。大型トラックになると普通車からは想像もつかない排気量だ。
この排気量が必要なのかという声もあるかもしれないが、大きな車体と重たい荷物を積載した大型トラックを走らせるには大きなトルクが必要なのだ。ギガに搭載された6UZ1-TCSエンジンが発生する最大トルクは1841Nm!最近BEVの普及で普通車でもトルクが騒がれているが、トルクお化けとも言われているテスラのモデルS PLAIDの986Nmの約2倍のトルクをギガは誇っている。
■オイル量と燃料タンク容量も桁違いだ!
自身でDIYによるメンテナンスを行う人ならば、オイル交換は定番の作業と言えるだろう。一般的にカー用品店でも4L缶でオイルが販売されているように、普通車のオイル量はエンジンや排気量によっても異なるが、国産車だと4L缶で事足りることが多い。輸入車で排気量が多くオイルクーラーが付いているとオイル量が多い車種もあるが、多くても10Lといったところだ。
しかし、排気量が10.0Lともなる大型トラックになると、オイル量も桁違いになってくる。年式などにもよるが、大型トラックのいすゞギガの場合オイルフィルター込みで32.5L!のオイルが必要となる。普通車ユーザーがペール缶(20L)を買っておく感覚でドラム缶(200L)を買うような感覚と言えるだろう。
そして、燃料タンクの容量も桁違いだ。最近の普通車ならば燃料タンクは50L程度のものが多いイメージだが、ギガの場合300Lとなっている。これはトラックという使用状況の特性上、長い航続可能距離が必要というのもある。
そのほかにも、普通車ならばホイールの締め付けトルクは100Nm程度だが、大型トラックともなると500Nm程度となっていることもある。このようにトラックの様々な数値は、普通車の常識からすると桁違いで驚かされることが多い。もし、機会があればトラックの様々な数字をチェックしてみると面白いかもしれない。
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