大衆車から超がつく高級車まで、デパート並みと称されるトヨタのラインナップだが、そのなかでも特筆してトヨタをけん引するモデルは何なのか!? 5モデルを選出する!!
※本稿は2024年2月のものです
文/片岡英明、写真/ベストカー編集部、トヨタ
初出:『ベストカー』2024年3月26日号
■カーオブザイヤーも獲得したプリウス
5代目のプリウスはデザインを劇的に変え、メカニズムも進化させた。先代は前衛的だと思って採用したエクステリアが不評で、販売の失速を招いたが、同じ失敗を繰り返さないのがトヨタの強みだ。クーペのような先鋭的なデザインでリベンジを果たし、新たなファン層獲得にも成功。
スポーティな走りを手に入れたのも魅力のひとつ。主役に抜擢された2Lモデルは、力強い加速感とモーターならではの洗練された走りを見せ、身のこなしも軽やかだ。4WDのE-FourとEV走行距離を大きく延ばしたPHEVも大幅な魅力アップを実現。
■SUVまで登場したクラウンシリーズ
日本専用モデルだったクラウンは、モデルチェンジを機に世界へ飛び出し、ボディタイプも正式発表前に4車種を公表している。まずクラウン初のクロスオーバーが発売され、これに続いてクラウンスポーツ、そして3弾目として正統派のセダンを送り出した。間もなくワゴンボディのエステートも発表予定だ。
FFベースに生まれ変わり、パワーユニットは自慢の進化型ハイブリッドとBEVに限りなく近い性格のPHEVを設定する。4WDモデルも存在感を増し、主役になりそうな勢いだ。国内ではライバル不在だし、走りの質感も高いから海外でも人気が出るだろう。
■ベストセラーも多様化するカローラ一族
VWゴルフとともにファミリーカーの代表に挙げられるカローラは、モデルチェンジを機に小型車枠からの脱皮を図った。が、ワイドバリエーション体制を敷いて新旧のファンの期待に応えている。先陣を切って登場したカローラスポーツは、欧州テイストの気持ちいい走りが自慢だ。
2023年には痛快な走りのGRカローラを仲間に加え、新しいカローラの魅力を提案した。日本の道路事情に合わせて全幅をスポーツより狭めたセダンとワゴンのツーリングは、従来のユーザー層をつなぎ止めることに成功している。クロスオーバーSUVのカローラクロスも新しい魅力を発散。
■今や高級車となったアルファード/ヴェルファイア
名実ともに日本を代表するフラッグシップミニバンだ。モデルチェンジでヴェルファイアはアルファードに統合されるはずだった。が、嘆願が出され、存続が決まっている。これもトヨタだからなせる技だ。両車とも違う個性を放ち、豪華に生まれ変わっただけでなく走りの質感も高めた。
最新作はプラットフォームを一新し、パワーユニットも多彩だ。主役のハイブリッドは良好な燃費に加え、力強い走りも手に入れている。ヴェルファイアはパンチの効いたDOHCターボを設定し、乗り味も上手に作り分けた。トヨタの強い意欲と余裕を感じさせるミニバンに成長している。
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