SUVブームのちょっと前2007年にデビューしたホンダ クロスロード。じつはこれ2代目で初代が存在していたのだ。しかもランドローバー初代ディスカバリーのOEMモデル。本家と価格&グレードも同じ!! 顔は少しホンダエッセンスが加わっていたが、これ一体どうして生まれたのよ!!!!!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■あのクロスロードは2代目だった!! 初代は似ても似つかぬアレ
ホンダ クロスロードといえば2007年に登場したストリームをベースとした3列シートを備えたクロスオーバーSUVを思い浮かべる人が多いだろう。
まだ今のようにクロスオーバーSUVブームが巻き起こる前に登場したことで、そこまでの人気を獲得することなく2010年に終売してしまったが、現在はその存在が認知されて中古車の価格が高値となっているモデルである。
しかしそのクロスロードは2代目で、1993年に登場した初代はかの有名なオフローダーであるランドローバー ディスカバリーのOEMモデルだったのである。
■苦肉の策で誕生!? 90年代初頭のホンダSUVは他社製だらけ
1990年代ごろに巻き起こったRVブームはクロスカントリーモデルや3列シートのミニバンのような、レジャーに供するモデルが人気となっていた。
しかしホンダはラインナップにそのようなモデルが存在せず、開発するには相当な期間が必要となるため、それまでの間、いすゞからミューをジャズとして。ビッグホーンをホライゾンとしてOEM供給を受け、ラインナップを補完することにしたのである。
その一環として当時のBL Cars(ブリティッシュレイランド)からディスカバリーもOEM供給を受けたというワケなのだ。
実はホンダとBL Carsは1979年ごろから業務提携を実施。
1981年にはホンダ バラード(シビックの兄弟車)をトライアンフ アクレイムとしてOEM供給していたり、ホンダと共同開発したローバー400(コンチェルトの兄弟車)やローバー800(レジェンドの兄弟車)をリリースしたりしていた。
■本家と同じ値段!! そりゃ厳しいぜ……
そんな異色のタッグで生まれた初代クロスロードだが、日本でもローバージャパン(当時)がベースとなったディスカバリーを正規販売しておりその差異にも注目が集まっていた。
だが、結局クロスロードにはディーゼルターボモデルやMTモデルがラインナップされなかっただけで、3.9Lのガソリンエンジンに4速ATという組み合わせでは3ドア/5ドアともにディスカバリーと全く同じ価格という、大人の事情を感じさせるものとなっていたのだった。
なおホンダは1994年にオデッセイを、翌年にはCR-Vを、そして96年にはステップワゴンと矢継ぎ早にレクリエーションヴィークルをリリースし、クロスロードをはじめとするOEMモデルは役目を終えて徐々にフェードアウト。
クロスロードもわずか500台弱を販売するだけに終わってしまっている。
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