街角で見かけてホレボレするクルマはいろいろあるが、筆者が見とれてしまうのはマツダ3。特にファストバックは見てるだけでご飯3杯は行ける(笑)。なんであんなにカッコいいのだろうか!?
文/ベストカーWeb編集部、写真/マツダ、ベストカーWeb編集部
■ハッチバックの「出尽くした感」をよくぞ乗り越えた!
2019年5月、それまでのアクセラに代わってマツダの中核モデルとなった「マツダ3」。2代目CX-5に続く新世代商品群として登場した力作だが、特に5ドアファストバック(=ハッチバック)のデザインにうっとりしてしまうユーザーは少なくないのじゃないだろうか。
5ドアハッチバックは現代の乗用車のメインストリームであり(SUVだって5ドアハッチバックだ)、起源をルノー4(キャトル)だとしてもすでに60年以上の歴史がある。
となればデザインに関しては「出尽くした感」が出てきそうなものだが、そんな中でマツダ3は見る者を振り向かせる力感に満ちているからすごい。
なんでこんなにカッコいいのか。編集部員がややエコひいき気味に(笑)、理由を3つ考えてみた。
■その1:フロントマスクが低い
まずは顔つきだ。マツダ3の顔つきは凄みがある。獲物を狙ったネコ科の動物がクラウチング姿勢をとってるみたいだ。
その理由は、切れ長のヘッドライトのお陰かもしれないが、編集部員的にはフロントマスクの位置自体が低いのだと思う。
実際、マツダ3を真横から見てみると、ヘッドランプの目尻がほぼホイールアーチ上端と同じ高さにある。カローラスポーツやVWゴルフ、ルノー メガーヌなどと比べてもローフォルムを感じるたたずまいだ。
近年は歩行者保護という観点からも、クルマのボンネット高は低くする傾向があるが、マツダ3はその配慮を視覚的にもうまく利用しているといえる。
■その2:ボディ側面の抑揚が効いている
マツダ3のボディ側面は、前後ドアの下端にプレスラインが1本入るだけで、他には角の立ったエッジが一切ない。パネル自体がゆるやかに湾曲しており、これが優雅な光の移ろいを作り出しているのだ。
基本的には、フロントタイヤ後方からリアのドアハンドルにかけて凹部があるのだが、その凹部の下側はリアタイヤへ向かってゆったりと凸部に変化する。光の当たり具合によってこの部分に「乙」の形にハイライトが入り(右側は逆だけど)、なんというか日本的な侘び寂びを感じさせるのだ。
まさに魂動デザインの真骨頂といえるが、単なるパネルの抑揚だけでこれだけの表情を作り出せるとは、マツダのデザイナー陣の力量といえよう。
■その3:窓が小さくCピラーが太い
マツダ3のボディ側面にはまだご馳走がある。ウインドウエリアが小さくて、代わりにCピラーがぶっといことだ。
そもそもボンネットが長いうえに、Aピラーのスラント(傾き)角自体がかなり強い。そのうえで窓が小さめなので、スポーツカーのキャビンのような印象を受けるのだ。
特に途中でキックアップするリアウインドウの効果は大きいだろう。ウインドウ下端のラインを上方へ跳ね上げて、Cピラーを太く見せることで、リアタイヤの張り出し感、力感が強調されるのだ。筆者などは、超ド級のスーパーカー「ブガッティ シロン」にも通じる処理だと勝手に感動している。
というわけでマツダ3は、見ているだけに話が止まらなくなる傑作デザイン車だ。オーナーじゃない人も街角で見かけたら(怒られない程度に)ジロジロと眺め倒してほしい!
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