バイクのタンデムは意外とルールが細かい! 2人乗りOKとNGな車種の違いは?

バイクのタンデムは意外とルールが細かい! 2人乗りOKとNGな車種の違いは?

バイクの免許を取ったら1度はやりたいタンデム走行、いわゆる2人乗り。彼女や彼氏、友達や家族などと一緒にバイクで走ることで、ツーリングもより楽しくなりそうですが、実際にやる場合には、注意したいルールなどもあります。
例えば、2人乗りNGのバイクがあったり、ライダー側にも免許取得年数に決まりがあるなど、意外に細かい条件があるのです。
ここでは、バイク初心者などが、安全・安心に2人乗りを楽しむために知っておくべきルールなどをおさらいしてみます。

 
文/平塚直樹 Webikeプラス
 

2人乗り可能なバイクとは?

 バイクの2人乗りには、道路交通法や道路運送車両法でさまざまな条件を定められていて、どんなバイクでも2人乗りができるわけではありません。また、バイク免許を取得したからといって、すぐに2人乗りができるわけでないで注意が必要です。

 まずは、2人乗り可能なバイクの条件について。どんなバイクがだめで、どんなバイクならOKなのかを紹介します。

 

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バイク初心者などが、安全・安心に2人乗りを楽しむために知っておくべきルールなどをおさらい

 

2人乗りできるのは排気量50cc超のバイク

 2人乗りが禁止されているのは、まず、排気量50cc以下の原付一種(第一種原動機付自転車)。

 逆にいえば、51cc〜125ccの原付二種(第二種原動機付自転車)や、126cc〜250ccの軽二輪、251cc以上の小型二輪車であれば、基本的に2人乗りは可能です。

 

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原付スクーターなど、排気量50cc以下の原付一種は2人乗り禁止

 

2人乗り可能な装備を搭載しているバイク

 ただし、51cc以上であれば、どんなバイクでも2人乗りをできるわけではありません。法律で、2人乗りをするために必要な以下3つの装備を搭載することが決められているからです。

・タンデムステップ
・タンデムシート(もしくはキャリア)
・握り手(タンデムベルトやグラブバー、タンデムバーともいう)

 そのため、例えば、ホンダのモンキー125など、排気量が50ccを超えているバイクでも、こうした装備がない1人乗り専用モデルでは、2人乗りをすることができません。

 

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モンキー125

 

 ただし、同じくホンダのCT125・ハンターカブやクロスカブ110のように、タンデムシートはないものの、リアキャリア部に座ることができ、タンデムステップやグラブバーなどが装備されていれば、2人乗りは可能です。

 

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CT125・ハンターカブ

 

 といっても、同乗者にとって、リアキャリア部に座るのはお尻が痛くなるので、あまりおすすめできないですね。

 もし、こうしたモデルでタンデムするのであれば、リアシートがオプション設定されていたり、アフターパーツで用意されている場合もあるので、それらのいずれかを装備した方がいいでしょう。

 

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クロスカブ110

 

 
 
 

●2人乗りをできるライダーの条件

 バイクを公道で乗るには、2人乗りをするか否かの前に、自分が乗る排気量のバイクを運転できる免許証を取得していることが大前提。2人乗りは、それに加え、バイク免許を取得後の年数に関しても、以下のように法律できまりがあります。

一般道の2人乗りは免許取得年数1年以上

 まず、一般道では、

最初に取った普通二輪免許(小型限定普通二輪免許を含む)や大型二輪免許を交付された日から1年以上が経過している

 ということも必要です。

 

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一般道で2人乗りができるのは免許取得年数1年以上のライダー

 

 ちなみに、例えば、最初に普通二輪免許を取り、その後に大型二輪免許を取得した場合。このケースでは、普通二輪免許の交付から1年以上が経過していれば、大型二輪免許の取得が1年未満でも、大型二輪のバイクで2人乗りをすることが可能です。

高速道路は20歳以上で免許取得後3年以上

 高速道路など(自動車専用道路を含む、以下同じ)で2人乗りをする場合には、また別のルールがあります。主なルールは以下の通りです。

1,125cc超で2人乗りが可能な装備を持つバイク
2,運転者の年齢が20歳以上
3,普通二輪免許または大型二輪免許の取得後、3年間以上経過していること

 1は、高速道路を走れるバイクは、排気量125cc超を決まっているから、当然のことですね。また、2人乗りに必要な装備とは、先に紹介したタンデムステップ、タンデムシート、グラブバーなどがあるか否かです。

 2は、高速道路の2人乗りには、20歳以上という年齢制限もあるということです。また、3のように、普通二輪免許または大型二輪免許を取得してから3年間以上が経過しているという条件もあります。一般道と違い、より速度域が高い高速道路では、より条件が厳しくなっているのです。

 ちなみに、例えば、大型二輪免許を取って3年以内だけれど、その前に普通二輪免許を取って3年以上が経過している場合。このケースでは、高速道路などで大型バイクに乗って2人乗りをしても違反となりませんから、大手を振ってタンデムができます。

 

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高速道路で2人乗りができるのは、20歳以上で免許取得後3年以上のライダー

 

高速道路には2人乗り禁止区間もある

 ほかにも、高速道路などでは、2人乗りが禁止されている区間もあるので注意しましょう。それは、東京都心を通る首都高速道路、いわゆる首都高の一部です。

 2人乗り禁止区間には、「大型自動二輪車及び普通自動二輪車で二人乗り通行禁止」の標識があり、首都高に入る入口付近などに表示されているので、見落とさないようにしましょう。

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首都高速道路のバイク2人乗り禁止エリア(出展:首都高速道路ホームページ「首都高ドライバーズサイト」)

 

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「大型自動二輪車及び普通自動二輪車で二人乗り通行禁止」の標識

 

違反した場合の違反点数や反則金

 このように、2人乗りに関しては、法律で、細かい条件やルールが決められており、もし違反すると、反則金や違反点数は主に以下の通りになります。

1,定員外乗車違反
反則金:原付車5000円、二輪車6000円
違反点数:1点

 これらは、主に原付一種のバイクで2人乗りをした場合。また、前述したモンキー125など、51cc以上でも乗車定員1名のバイクに2人乗りをした場合などにも課せられます。

2,大型自動二輪車等乗車法違反
反則金:1万2000円
違反点数:2点

 これらは、主に、以下のようなケースで課せられます。

・免許取得後1年未満に、大型二輪車または普通二輪車の2人乗りをした場合
・免許取得後3年未満に、高速道路などで大型二輪車または普通二輪車の2人乗りをした場合
・20歳未満で高速道路などで2人乗りをした場合
・2人乗り禁止区間で2人乗りをした場合

 特に、大型自動二輪車等乗車法違反は反則金の金額も大きいので、違反しないように注意したいものですね。

 

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2人乗りの法規に違反すると反則金や違反点数を課せられる

 

バイクに初めて乗るパッセンジャーの注意点

 2人乗りをする場合は、以上のような条件に加え、ライダーやパッセンジャー(同乗者)にも乗り方などの心構えがいくつかあります。特に、2人乗り初心者では、安全に走るために注意した方がいいことも多いので、いくつか紹介しますね。

 まず、パッセンジャーがバイクに初めて乗る場合は、スムーズに走れるように、事前に「どんな乗り方をすればいいか」を話合っておきましょう。

 例えば、慣れないうちは「なるべくライダーの背中と腰に密着」すること。また、走行中は「しっかりグラブバーやタンデムベルトを握る」「ニーグリップでライダーの腰を軽く挟む」といったことを説明することも大切です。

 

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慣れないうちは、なるべくライダーの背中と腰に密着するなど、初めてバイクに乗るパッセンジャーにも注意点がある

 

 さらに、パッセンジャーのなかには、コーナーでバイクが傾くことに恐怖心をおぼえ、体を起こしてしまうような人もいます。特に、バイクの傾きと反対方向など、パッセンジャーが極端な動きをしてしまうと、車体がバランスを崩してしまい、スムーズな走りができないばかりか、場合によっては転倒してしまうことさえあります。

 そのため、コーナーの旋回中は、ライダーの動きに合わせて、例えば左旋回なら左に、右旋回なら右へ「やや体を傾ける(あまり極端に傾けるのもバランスを崩しやすい)」など、2人がうまく呼吸を合わせて乗れるように、事前に伝えておくといいでしょう。

ライダーがタンデム初心者の場合に注意したい点

 一方、ライダーが、初めて2人乗りをする時や、あまり慣れていない場合は、特に加速や減速する際に、できるだけスムーズな操作を行うように心掛けたいですね。バイクが極端に前後動するような走りは、パッセンジャーを必要以上に怖がらせるし、快適に乗ることができないからです。

 また、コーナーでも、早めに減速し、できるだけゆっくりと旋回。車体もできるだけバンクさせないよう、パッセンジャーに気を遣った走りを心掛けましょう。

 

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2人乗りにあまり慣れていないライダーは、できるだけスムーズな操作を心掛けたい

 

 ほかにも、ライダーはもちろん、パッセンジャーも長袖・長ズボン、くるぶしが隠れる靴、ヘルメットや胸部プロテクターなど、安全のための装備にも気を配りたいもの。また、エンジンやマフラーなど、高熱になる部分には触らないようにするといったことも伝えておけば、不慮の事故などを防げます。

 ちなみに、もし高速道路を使った長距離ツーリングを2人乗りで楽しみたいのであれば、できるだけリアシートがフラットで幅広いバイクがおすすめです。長時間の乗車でもパッセンジャーが疲れにくいですし、安定性も高いからです。

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