エンジンの始動からカーアクセサリーの電源供給まで、車内で非常に大きな役割を担う「バッテリー」。
カー用品の量販店に行くと、さまざまなメーカーから車用バッテリーが出ていますが、その違いは、ほとんどわからないもの。
しかし、バッテリーは必ず劣化するもので、しかも燃費悪化の原因になるケースも! それだけにバッテリー選びは重要になってきます。
そこで、本稿では元自動車ディーラー営業マンの筆者が「カーバッテリーの選び方」について解説します。
文:佐々木亘
写真:Adobe Stock
カーバッテリーに書かれた記号の意味を知りましょう
まずは愛車に装着されているバッテリーを確認しましょう。バッテリーには型番が記されており、数字とアルファベットで大きさの区分けをしています。
例えば、“34B20R”といった数字が書かれています。注視するのは先頭の「数字二桁」と、それ以下の「アルファベット数字アルファベットの部分」の2か所です。
後半の「アルファベット数字アルファベット」の組み合わせは、「本体の奥行きと高さ」、「本体の幅」、「マイナス端子の左右配置」の3つを示すもの。
これらは現在装着されているバッテリーと同じものを選ばないと装着できません。
対して、先頭の数字二桁はバッテリー容量を示します。シガーソケットやUSBソケットから、タコ足配線のように充電器を多数繋げてしまうと、バッテリーあがりになってしまうことも。
バッテリー容量大きくすることで、余裕を持って、車内電装品を使うことができ、快適なドライブへとつながります。バッテリー容量に関しては、必要であれば、大きくすることを検討されることをお勧めします。
エンジンがかかりにくい! そんな時は「寒冷地対応バッテリー」を
最近多くなっているアイドリングストップ搭載車は、バッテリーに非常に大きな負荷がかかります。
信号待ちなどの、エンジン停止時は充電装置のオルタネーターが動かず、車内アクセサリーをバッテリーからの放電だけで作動させる形になり、さらに、頻繁なエンジンのオン・オフによって過放電になりがちなためです。
また、これからの季節、寒くなってエンジンのかかりが悪くなるケースも多くなるでしょう。
寒くなるとバッテリー内での電気をため込む力や電圧が下がってしまうため、エンジンがかかりにくくなったり、突然ピクリともしなくなってしまうことも。
標準バッテリーよりも、始動電圧を安定して送り続けられる寒冷地仕様のバッテリーを使うことで、過放電や寒さ対策を行うことができます。
バッテリーが原因で燃費悪化を招くケースも!?
バッテリーの中には希硫酸が入っており、使用や経年劣化により、バッテリー液が減ってきます。
また、メンテナンスフリー型バッテリーで液量の変化がなくても、バッテリー液や端子の劣化により、充電をするための機能や電気を貯蔵する機能は、年々劣化していきます。
これらバッテリーの機能低下は、充電効率が下がり、オルタネーターの作動時間が長くなって、アイドリング時の回転数上昇や、走行中もエンジンからオルタネーターを動かすための余分な動力が発生し、燃費の悪化につながります。
4年に1度程度は、バッテリーを交換することをオススメします。ハイスペックなバッテリーは、充電容量は多いですが、高価で、バッテリー自体が重いことがデメリットです。
今までクルマを使っていて、電気系統で大きなトラブルを抱えたことがなければ、同一容量の安価で軽量な純正品の新品に交換するだけで、車の調子は良くなります。
下記のようなお悩みがあれば、バッテリーの交換をオススメします。
【1】車内で携帯電話などを充電していても、時間が長くかかる
【2】エンジン始動時に、一発でエンジンをかけることができない
【3】最近燃費が悪くなってきている、アイドリング時に回転数が高い
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