「いいクルマ」というのはどんなクルマか。パワーがあってよく曲がり、よく止まり、見た目もイイし内装も豪華……たしかにある意味正解だが、それだけが「いいクルマ」というわけではないはず。決して目立つ存在ではないが、ちょっと不思議な魅力を放つ「地味にいいクルマ」の意外と厳しい条件って!?
※本稿は2024年6月のものです
文:清水草一/写真:トヨタ
初出:『ベストカー』2024年7月26日号
■「地味にいいクルマ」の条件とは?
●清水草一が考える「地味にいいクルマ」の条件
一、見た目が地味
一、メカ的に地味
一、知名度が地味
一、売れゆきが地味
これらのどれかを満たしつつ、カーマニアの心に刺さるいい走りを持つのが「地味にいいクルマ」である。
カーマニアが泣いて喜ぶ大好物『地味にいいクルマ』。その称号を勝ち取るためには、一定の条件を満たさねばならない!
第一の条件は、見た目が地味であることだ。ボディタイプは問わないが、見た目が派手だったら即失格。スポーツカーはだいたい落選となる。
個性的なフォルムもイカン。派手なエアロもご法度だ。保守的であまり記憶に残らないほうがイイ。定義は曖昧と言えば曖昧だが、カーマニアなら、そのあたりの機微は理解してくれるに違いない。
第二に、メカ的に地味であること。ツインターボだったり、超高回転型のハイパワーエンジンだったりすると、それだけで落選確実となる。自動車専門誌で人気が集まるようなメカは基本的にダメ! 以上の2項目は、地味にいいクルマの必須条件である。
■地味でも有名すぎたらダメ!?
そのうえで、できれば知名度は高くないほうがいい。例えばカローラはけっこう地味にいいクルマだけど、あまりにも有名すぎるので「地味」とは言えない。カローラだから派手なはずないけど、それでもダメ! 地味にいいクルマのハードルはなにげに高い。
もちろん売れゆきも地味なほうがいい。不人気車は自動的に地味な存在になる。そのうえで、カーマニアが「いいクルマなんだけどなぁ」と嘆くくらいがベストだ。地味にいいクルマは、地味ゆえにあまり販売が好調じゃないことがほとんどだが、販売不振で絶版になれば文句ナシ!
カーマニアが泣いて惜しんでこそ、真の意味で”地味にいいクルマ”と言える。
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