大排気量、マルチシリンダー、セダンなど、 消えつつあるモデルはいろいろあるが、老舗名門ブランドがその波に巻き込まれてしまいそうな雰囲気だ。そのブランドとはジャガー。新車で買えるのは一車種のみで、ブランドの先行きが心配になってしまうほど。今、優先的に選びたいのはジャガーかも知れない。
文:奥津匡倫(Team Gori)/写真:ジャガー
■時代の流れに翻弄されたのか!? イギリスの名門ブランド
流麗かつ高性能なモデルを送り出すブランドとして知られるジャガーは、その前進となった会社から数えれば100年以上の歴史を持つ老舗である。高級なセダンやスポーツカーのイメージが強いが、近年は高級EVメーカーへ転身を図るべく、SUVを中心とした車種ラインナップの見直しが行われていた。
ほんの数年前までは、近い将来、市販されるクルマはすべてEVになる雰囲気が世界を支配していたのに、ここ最近それが一転。EV中心の未来は少し先送りになりそうな感じに。ジャガーはまさにそんな流れに翻弄されることになってしまった。すでに内燃エンジンを搭載したセダンやクーペは廃止、SUVのみのラインナップとなっていたが、そのSUVも現在はFペイス一車種のみとなっている。
■そんな今だから“ジャガーを知っている人”になりたい
近い将来、ニューモデルの投入はアナウンスされているものの、それが振るわなければブランドの先行きはさらに不明瞭なものとなるだろう。もちろん、そうならないことを期待するばかりだが、不明瞭な未来が訪れる前に“ジャガーを知っている”人になっておきたい。今ならまだ十分に間に合うし、しかも意外と少ない予算で叶ってしまうから。
中古車市場におけるジャガーの評価は同クラスのライバルと比較すると、やや低いことが多い。かつてのトラブルが多く、修理費用がかかるというネガティブイメージが根強くあり、それが影響しているものと思われるが、新しめのモデルならそこまで酷いものではない。むしろ、比較的少ない予算で、独自の世界観が楽しめるコスパの高い選択肢とも言えそうだ。
■今オススメのジャガーはコレだ!!
オススメモデルをいくつかあげるとすれば、やはり“らしさ”を強く感じられる先代XJ、X350系とSタイプがオススメ。いずれもジャガーらしさを強く感じさせるスタイルと、100万円未満で手に入るのがオススメの理由だ。
より濃厚に“らしさ”を味わいたければ、V8搭載モデルがオススメだ。R系の野蛮な感じも、ソブリン系のとろけるような味わいのどちらも捨てがたいほどに魅力的だ。ただし、Sタイプはタマ数もかなり減少気味だ。
その次の世代、最後のXJとなったX351もオススメしたい1台だ。新世代のジャガーのスタイルを提案したフォルムはセダンとして抜群にカッコいいし、年式的にもまだそれほど古くないので安心感も高い。
搭載エンジンが2リッターから5リッターと幅広いため、価格はまちまちだが、大排気量でも比較的手頃感があるのはある意味それらしいところ。それでスタイリッシュな高級セダンが手に入れられるのだから、コスパという点でも魅力的でオススメだ。
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