ホンダが毎年開催している各メディアの責任者を集めて走る「編集長ツーリング」では、新しいバイクの発表などが行なわれることがある。そんな今年の編集長ツーリングでアンベールされたのが、海外向けのNT1100のポリス仕様「NT1100 POLICE」だ。
ヨーロッパに投入される新型白バイ仕様車
ホンダのバイクは国内外で白バイとして採用されており、日本国内ではVFR800PとCB1300P、海外向けにはNC750とST1300がポリス仕様として採用されている。白バイのベースとなるバイクの条件は軽さと機動性の高さであり、ウインドプロテクションの高さも求められる。現在のホンダのラインナップの中で、そうした条件を満たすのがNT1100である。
NT1100はヨーロッパでは今年モデルチェンジが発表されたが、初代モデルの開発時から白バイのベースということが考えられていたという。そして2025年モデルのデビュータイミングで、白バイ仕様の投入が決まったとのことだ。現在日本で販売されているNT1100はDCT仕様のみとなるが、この新型ベースの白バイ仕様はマニュアル仕様をベースに作られている。
海外では先述した通りNC750とST1300が採用されており、NT1100はちょうどその中間とも言える車格や車重と言える。ハンドルやステップなどもそのままで良く、純正でパニアケースが装着できるようになっているのも都合が良い。このNT100の白バイ仕様は現状は海外向けではあるが、国内でもCB1300が廃盤となる関係で導入される可能性はある。CB1300と比べてもNTの方が車重が軽く、ホンダとしては動力性能は劣らないと考えているとのことだ。
最新の2025年モデルがベース
ベースとなるNT1100は、CRF1100アフリカツインのエンジンとフレームをベースに、オンロード仕様の足回りやウインドプロテクション効果の高い大型フェアリングを装備したツアラーモデルだ。ヨーロッパで発表された2025年モデルでは、ウインカー統合型のDRL(デイタイムランニングライト)を備えた新しいフェイスデザインを採用した。
機能面での最大の進化は、6軸慣性測定ユニット (IMU) が組み込まれたことで電子ライダー補助装置の操作性が向上し、3段階のHSTC(ホンダセレクタブルトルクコントロール)だけでなく、3段階のウィリー コントロール、コーナリングABS、リア リフトコントロールもより正確に制御できるようになったことだ。また、ライディングモードはデフォルトは「アーバン」、「レイン」、「ツアー」の 3つだが、すべてのパラメーターを個別にカスタマイズすることができる「ユーザー」モードも装備している。
オプションとして、電子制御タイプのサスペンションであるShowa Electronically Equipped Ride Adjustment (Showa-EERA)が設定されている。このサスペンションは様々な走行条件に合わせてダンピングをリアルタイムで最適化し、走行中にリアスプリングのプリロードを調整する機能も持っている。
メーターの上に取り付けたられた6.5インチのTFTタッチスクリーンは、ディスプレイをカスタマイズすることができ、Apple CarPlayおよび Android Autoを介してスマートフォンと接続することができる。その他、クルーズコントロールやヒーター付きグリップ、ACCおよびUSB充電ソケット、オートキャンセルウインカー、緊急停止信号 (ESS)、センタースタンドなどもすべて標準装備されている。
この2025年モデルをベースとしたNT1100 POLICEは、ガードを取り付けるための穴が設定されていることと、シングルシートカバーが装着されているくらいしかノーマルとの違いはない。パニアケースとトップボックス、ガード類などが取り付けられた状態で出荷され、パトライトや速度計測系などの装備は納車先の各国で装着されることになるとのことだ。
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