ヤマハは海外向けに「XSR900」の2025年モデルを発表した。新型はマイナーチェンジで排ガス規制に対応、メーターやシートなどを変更した他、新色「ミッドナイトブラック」が追加。80年代スタイルを思わせる、懐かしいカラーの登場だ!
80’sヤマハのスペシャルカラーはブラック&ゴールドだ
ヤマハがラインナップするネオクラシック、スポーツヘリテイジラインナップのトップエンドモデルが890ccの「XSR900」だ。今回登場した2025年モデルでは、新排ガス規制EURO5+に適合してスペックがやや変更。水冷並列3気筒のCP3エンジンは、最高出力を87.5kW(119.0PS)/10000rpmと、現行の120PSからやや落とした。装備面ではメーターが視認性を高めた5インチTFT液晶メーターとなり、シートデザインも足つきがよいよう改良されている。
とはいえ大きな変化のない新型XSR900だが、日本のファンが注目したいのは同時に発表された新色だ。従来からの「レジェンドレッド」(日本ではシルキーホワイト)に加え、「ミッドナイトブラック」が新登場。従来のブラックメタリックXとは異なるものとなる。
このカラーリングに懐かしさを覚えるライダーも多いだろう。というのは、ブラック&ゴールドの組み合わせは80年代ヤマハでは「ミッドナイトスペシャル」としておなじみのカラーだった。当時、ヤマハはスポーツモデルのバリエーションとして、ネーミング末尾を「スペシャル」としたクルーザー仕様を多数ラインナップ。このスペシャル仕様の特別色として採用されたカラーパターンがミッドナイトスペシャルなのだ。
今回これが採用されたXSR900はクルーザー仕様というわけではないため、ネーミングに「スペシャル」はないが、全体に品のあるブラックのボディに、タンクの「YAMAHA」エンブレム、ホイールをゴールド仕上げとしている姿は、往年のミッドナイトスペシャルそのもの。XSR900には、80年代GPレーサーをオマージュした「XSR900 GP」のバリエーションが登場して話題を呼んだばかりだが、この新色が日本でも採用されれば、まさに80年代を過ごしたファンたちに狙いを定めたラインナップといえる!
クルーザーに採用されていたミッドナイトスペシャル
ヤマハに限らず、70~80年代の日本メーカーはクルーザータイプのラインナップを、スポーツモデルの仕様変更という形で取りそろえることが多かった。スタンダードモデルのエンジンはそのまま、ラグジュアリーな外装や低く厚いシート、アップハンドルなどで差別化を図ったのだ。ネーミングは、スタンダードモデルの後ろにクルーザータイプを示すのがお約束で、ホンダの場合は「カスタム」、スズキは「L(ラグジュアリー)」、カワサキは「LTD(リミテッド)」、そしてヤマハは「スペシャル」としていた。
ミッドナイトスペシャルは、そんなスペシャルモデルに採用されていたブラック&ゴールドの特別仕様で、全体をブラック仕上げとしつつ、ホイールやタンクエンブレムに加え、ヘッドライトリムやグラブバー等、通常メッキ仕上げとなる部分をほとんどゴールドとしていた。さらにサイドカバーには流麗な筆記体(これもゴールド)で車種名を誇らしくプリントし、豪華で大人っぽい雰囲気に仕上げられている。
採用例は多くはなく、国内ではXS250スペシャル、XJ650スペシャルの他、原付モデルのRX50スペシャルなどがラインナップ。しかし海外ではXS850スペシャルやXV1000ビラーゴといった、輸出専用モデルでも採用されている。また変わったところでは、「スペシャル」ではない原付モデル・ポッケにも採用例があり、懐かしいライダーは多いことだろう。
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